七色仮面の告白日記

隣の正面だ~れ

ドスンドスンと、隣から音が響きだしたのはこの1ヶ月ほど。音の質から、かかとから強く踏みこむ歩き方だろう。経験上隣から聞こえてくる音というのは、扉の開閉やテレビの音、話し声といった生活音が多い。逆に足音は階上、あるいは下から響いてくる。そう思ってきたせいか、隣から足音

七色仮面の告白日記

新しい暮らし

現在の住まいに越してから、半年が過ぎた。ようやく、家の中の空気がカラダに馴染んできた感じだ。いくら以前と同じ町で近距離の引越しでも、建物内の空気は以前のものとはまったく違う。家の中の動線、キッチンの使い勝手、座って見える景色。どこなく落ち着かないのは、この家に沿った生

七色仮面の告白日記

ちょっといいグループ

ふたたび、電車に乗っていたときの出来事。私が乗った電車は信号機トラブルの影響で、ある駅でしばらく停車していた。私はドア近くの席に座り、そのすぐ傍で三人の高校生とおぼしきグループが、スナック菓子を食べながら大声で談笑していたのだ。聞きたくもない話が耳に入り、自ずとどん

七色仮面の告白日記

どっちがどっち

一年ぶりに、両親と横浜の叔父を訪ねた。今回、叔父を見舞うことに気が重かった。昨年の出来事がひっかかっているからだ。昨年見舞ったとき、父は当時のヘルパーにほんの挨拶から自身が闘病したことを話した。それもただひと言「患った」と済ませばいいものを、なんだか細かく経緯を話して

七色仮面の告白日記

夜風が沁みた

港区芝公園。ゴールデンウィーク初日、私はオランダ大使館へ向かった。ここで、あるLGBT団体の周年パーティーが催されたのだ。私はゲイの一人として、このセクシャリティを抱えどう生きていこうか。そんなヒントを得たくてネットで検索したところ、「LGBTの老人ホームづくり」を活

七色仮面の告白日記

覗かれテーマ

今住んでいる隣のマンションで、大規模な外装工事が行われている。事前に「近隣のみなさまへ」という告知文が投函され、そこには作業中の騒音、異臭への侘びと協力、工事期間が今年1月末から5月末までと書かれていた。工事開始当初は離職からまもなく、日中は家に居ることが多くなっていた

七色仮面の告白日記

パターン

ゲイといえども、女性に魅力を感じるときがある。最近で印象深いのは、太地喜和子だ。というのも、検索ワードで彼女の名前が急に上がってきたからだ。1992年に事故死してしまった、伝説の女優と言われている。名前は知っていたものの、リアルタイムで見た記憶はない。しかし先日亡くなっ

七色仮面の告白日記

周囲基準

地下鉄に乗ったときの出来事。やってきた電車は空いていて、私は景色見たさに先頭車両の運転席に通じるガラス扉越しに立った。一駅過ぎたところで、ほんわかした中年らしき男性が乗ってきた。「この電車に乗れば、待ち合わせ時間に間に合うな」その男性はいかにも周りに聞こえる独り言を発し

七色仮面の告白日記

開業医の信念

先月から歯の治療のため、個人歯科医院へ通っている。区内に歯科医院は数多くあるが、私に様々な条件がありながらも診察を受け付けてくれる、とてもありがたい歯科なのだ。そしてここの先生の外見は難物そうなのに話し好きな一面があり、今まで抱いていた歯科と違って通いやすいのが利点だ。

七色仮面の告白日記

駆け足サクラ

今年のサクラは早咲きでしたね。私にとって、サクラのピークは4月の入学式あたりだと思っています。しかし今年は3月のうちに満開となり、サクラが駆け足でやって来たことに春の訪れを楽しむ余裕もなく、せかされているような気持ちでいました。ということで今年も地元でサクラを見ようかと