「戦う君の歌を
戦わない奴らが笑うだろう
冷たい水の中を
震えながらのぼっていけ」
中島みゆき「ファイト!」の一節です。
「戦わない奴ら」は沢山いる。
そんじょそこらにうようよしている。
戦いというのは本当は不様なものです。
なぜなら戦いでかっこいいのはほんの一握りの勝者だけで、
戦う人の殆どは、あえなく敗れるのが常だからです。
「戦わない奴ら」が戦わないのは、
不様に負けるのが嫌だからだ。
その不様さを持ち堪えられないからだ。
彼らは「戦っている君」を笑い、体裁を繕うことに汲々とする。
中島みゆきが秀逸なのは、「ファイト!」という
勇ましいタイトルのもとに、戦いの本質である
「不様な敗北」を抉り出したところです。
「暗い川の流れに打たれながら
魚たちのぼっていく
諦めという名の鎖を
身をよじってほどいていく」
始めから勝ち目のない戦いなんぞしない方が利口というもの、
みんなそう教えられてきたのです。諦めはもはや習い性。
鎖でつながれているという意識すらない。
自らの不様さに打ちひしがれて
絶望のぬかるみに倒れこんだ僕は、
「戦わない奴ら」の嘲笑のなかで
泥だらけの身体を起こすことができるだろうか・・・。
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