先日のグループワークで、「これからはマネージメント力が
重用される時代になる」という話をした。どんなに素晴らしい
技術を持っていても、特異な才能があっても、それだけでは
やっていけない。いかにその情報を発信し、興味を引き出し、
目標達成のためのシステムを構築していくかが、何かを
成し遂げていくときのカギになると思うからだ。そういえば
少し前に話題になった「もしドラ」も、マネジメントの重要さを
主題にしていた。
つい先日、将棋の電脳戦でコンピューターが人間に勝利した
ことが報じられ、コンピューターの進化の凄さを印象づけたが、
その陰には、「電脳戦」を企画運営したマネジメントの力が
あったと思う。何せネットでの延べ観戦者数は200万人を超え、
将棋番組史上最高値を更新したというのである。放っておけば
衰退しかねないアナログなゲームへの関心をぐっと引きつける
見事なマネジメント力である。
「電脳戦」の結果が象徴するように、デジタル技術の発展は
凄まじい。将棋のみならず、今後次々に専門的領域を凌駕し、
専門家を必要とする場をどんどん奪っていくことが予想される。
経理や税務、複雑な契約や手続き、労務管理などは、そのうち
簡単なデータ打ち込みだけでコンピューターが難なくこなす
ようになるだろう。
折しも今、薬剤のネット販売が問題になっているが、
いくら既存の販売店が反対してもネット化の流れは止められまい。
そうすれば一定の拠点で一括して管理することができるから、
現在は各店舗毎に配置を要する薬剤師の必要人数が大幅に減少
すると見込まれる。遠隔医療が発展すれば医師もそれほど
いらなくなる。カウンセラーとて然り。カウンセリングルームに
閉じこもっている時代はもはや終わりつつあると言えよう。
思えばこうしたことは、当NPO開設当初のCS養成特別講義で
木村周先生が強調されていたことである。その言葉を指針として
活動すること10年、時代は予想外の速さで歩みを進め、まさに
先生の講義通りの展開を見せている。これからの活動の進展は、
専門職の最も苦手とするマネジメント力にかかっている。
我がCSNも常に複数の事業が並行して走っている。
ということは、マネジメントが必須の状況にあるということだ。
10周年を迎える今年度は新たな事業も数本加わって、マネジメント
なしには進展がおぼつかない。今まではやむを得ずほぼ一人で
こなしてきたが、このところ実際の運営を担うマネージャーの
存在が必要だと痛感することしきりである。
ドラッガーは読まずとも、現実的な視野と行動力をもつ
メンバーにはその力を発揮して、是非ともCSNのマネジメントに
参与してもらいたいと願っている。
↑ブログを読んだらクリックしてね!