CSNの研修室に数枚の写真が飾られている。
そのうちの一枚に、雪に埋もれた線路をこちらに
向かって走ってくる電車の写真があるのだが、
「これ、どこだと思う?」と訊いて正解を答え
られた人はいない。
答えは「30年前の恵比寿駅」である。
良く見れば遠景に薄くビルの影が見えるが、
それを認めてもどこか鄙びた田舎町の駅から撮った
雪景色としか思えない。この写真を見るたびに
この街の大きな変遷を改めて痛感する。
今日は久しぶりに積雪20センチを超える雪が
東京に降った。雪というのは何か懐かしい感じを
抱かせる。何十年ぶりという大雪は特にである。
何もかもが雪に塗りこめられて、古い記憶にある
景色が甦る。
夕方ベランダから覗いたら、前のマンションの
玄関前に大きな雪だるまがつくられていた。通りで
はしゃぐ子どもの姿もある。こんな風景は今も昔も
変わらない。
だが、さすがにガーデンプレイスのタワービルは
雪に隠れることはない。駅の周辺の景色も随分変わった。
今恵比寿駅から雪景色を撮ったらどんなだろうか。
30年前とは全く別の地の如くであろうが、多分これからも
ずっとこの勢いで変わり続けていくのだろう。
ひょっとしたら10年後にはもう「ここ、どこだと思う?」
と訊いても誰も分からないくらい変化しているのかも
しれない。
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