いやぁ、素晴らしいですね!
かっこいい、しびれます。
こんな感慨に打たれたのは、若き日のジュリー以来。
その人の名は誰あろう、かのバラク・オバマ氏、47歳。
「カサブランカダンディー」ならぬ「ホワイトハウスダンディー」。
全世界が注目するワシントンでの大統領就任演説。
自国民はもとより、こんな極東の片隅のミーハーおばさんにまで
感動を与えるとは、何というカリスマ性!
新聞に掲載された全文を、翻訳では飽き足らず、苦労しいしい
英語で読み、おまけにニコニコ動画で映像も観てまたしびれ、
一粒で二度ならず、何度もおいしいオバマさん。
先日TVで60年代のアメリカ東海岸の小都市を舞台にした
「ヘアスプレイ」という映画を観ましたが、その当時の人種差別の
様子が描かれていて、こんな時代を経て今、嘗ての被差別民族を
自らの頭首に選んだアメリカという国の底力のすごさを感じました。
オバマ氏の演説のなかにも「まだ60年にも満たぬ前に、レストランで
食事をすることも出来なかったかもしれない父」という表現があります。
そして、「そんな父を持つ自分がここに大統領として立っているということが、
まさに我々の自由の意味であり信条なのだ」と謳いあげます。
ホント、うまいですねぇ。
前述の映画のなかに黒人達が人権を訴えてデモをする場面が
あるのですが、そのプラカードに「NO SEGREGATION!」という
スローガンが書かれていました。演説ではその言葉にも出会いました。
「我々は内戦や人種差別という苦渋をなめ、その暗い歴史からより
力強い団結が生まれた」という箇所ですね。
オバマ氏は、大統領当選直後の昨年11月早々、この就任演説の
草稿を担当するスピーチライターに就任演説づくりを指示し、
「この瞬間を表現するものにしてくれ」という注文を出したといいます。
注文の出し方までかっこいい!
そしてその注文に見事応えたライターの才能も半端じゃないですね。
過去の演説を網羅し、音声と映像も全てチェック、そのうえで
声音や間合いの入れ方まで十分に研究し尽くしてつくったとのこと。
いや、すごいです。
演説には、「愛国心」とか「忠誠心」という古臭い言葉も使われて
いますが、それが何ともぴったりはまっているのは、このつくりこみの
為せる業でしょうね。それと本番までの余裕ある時間で、その言葉の
一つ一つに情感溢れた命を吹き込んで、自分の言葉として語り上げた
オバマ氏の技量。この二つが相乗して、世界中を感動させた素晴らしい
演説になったのでしょう。
実際に音声つきの映像で見ると、リズム感のある「英語」という
言語によるところもあるのでしょうが、まるで上質な演歌を聴いている
みたいに心地いいのです。演歌好きのかなりんとしては、もうたまりません。
日本にもカビの生えた「官僚語」の棒読みではなく、また「感動した!」
のバカの一つ覚えでもなく、ましてや漢字の読み間違えや失言だらけの
無知さらけ出し演説でもなく、こういう「上質な演歌」を聞かせてくれる
政治家が出てこないもんでしょうかねぇ。
勿論歌ばかりうまくても、実行力が伴わないことにはどうにもなりません。
「この困難な冬の時代に、我が建国の祖の如く勇敢に氷河に立ち向かい、
共に試練を乗り越えよう!」と力強く呼びかけたオバマ氏が、果たして
国民の理解と共感を得て理念を実現できるのか、今後の氏の手腕に
注目したいと思います。
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