ガタゴト、ガタゴト、プォワーン。
汽笛?のような音に思わず懐かしさが込み上げた。何て心地よい音なんだろう。
遠い昔、蒸気機関車が出していた音にも似て、幼き頃に戻った様な錯覚に陥った。
幼き頃と言っても、高校生の頃は、まだ走っていた記憶が有る。新潟駅から新津
駅に向かう信越本線での汽笛だったろうか?
先週、JR東日本を利用して二泊三日の旅に出た。
いつもの如く、一人気儘なフラリ旅。鳥取砂丘の予定を急遽、新潟に変更した。
相次ぐ地震の影響を恐れ、日本海に面しているというだけの理由で新潟に決めた。
私はローカル線が大好きだ。
窓際に座し、景色の移り変わりを目で追うのが何よりも嬉しい。
往きは湘南新宿ライン→上越線→信越本線と繋ぎ、新潟駅に着いたのが18時。
朝9時に家を出て18時到着で9時間要した。車中6時間、乗継時間3時間。
渋谷からの湘南新宿ラインはお盆の帰省でかなり込み合っていた。
乗って約30分経過した頃、何処からか「怖くない、怖くない・・。」と繰り返す
男の子の声が聞こえてきた。視線を移すとデジカメ片手に窓越しに嬉しそうに外
を眺めている大学生位の男の子がいた。一人旅で心細いのか一生懸命「怖くない」
と言いながら気分を落ち着けているように思えた。
湘南新宿ラインから上越線に乗り換え、随分時間が経った頃、車掌が切符の確認に
車内を回るとアナウンスが流れた。この混雑時に切符の確認なんて・・とムッとし
ながら切符を出し確認を終えた。約10分後、どこからか「はなせー、よせよー、殺
してやるー。」と泣きわめくような声が聞こえてきた。混雑で声の主の顔、姿は見
えなかった。「分かった500万あげる。1万あげる。お母さん助けて。何でお金あげ
ないといけないの?」という男の子の戸惑いにも似た素直な声に思わず笑が込み上
げ、ケラケラと笑うと前に座っていた男性もクスリと笑った。
男の子は、明らかにお金を払う理由が理解できていなかった。
電車が最寄の駅で停車した。駅員が一名乗り込み、二名で男の子を電車から引きず
り降ろし、車外で押し問答しているのが遠目に見えた。男の子はデジカメを手に嬉
しそうにしていた男の子だった。電車を降りて駅員に釈明してやりたい衝動に駆ら
れた。電車は男の子を置き去りにして発車した。心が痛かった。
上越線から信越本線に乗り換え、暫くしてお相撲さんの様な巨体をした男性が私の
隣にドスンと座った。他にも席は空いているのに・・?異様な雰囲気。
座った両膝の上に置いた両手と太い首に乗った大きな頭を微塵も動かさない。
景色は全く観ず、約2時間同じ姿勢を保ち続けていた。相撲の修業だろうか?
不思議で不思議で未だに不思議。
新潟駅の地下街一画に占いコーナーが有り、ふらっと立ち寄った。
特に占って欲しかった訳では無く、何となく話をしたくなった。
10分の約束でスタートし、気が付いたら1時間も経っていた。
占いは実質5分位で、残りは哲学、宗教、政治経済と発展して面白かった。
非常に博学で、時間さえあればもっと聞いていたかったが閉店の時間になった。
占い料は約束の料金を払ったのみ。
「遠く新潟まで来たのは僕に逢う為だよ。」という占い師の言葉が納得いってしま
いそうな、そんな気持ちになるような熱血占い師。印象深かった。
因みに貰った名刺に載っていたホームページをみてみると、これが私にぴったりの
面白い内容で今回の旅の貴重な収穫になった。
帰りは日本海側の越後線に乗った。海岸沿いを電車は走るとばかり思っていた。
行けども行けども、低い山と田園風景。どこまでも続く。海は全く見えなかった。
又しても思いこみ。信濃川で我慢。秋には鳥取に行って日本海を見る。
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