先日の新聞に英国の「ファイナンシャルタイムズ」の記事が掲載されていた。
米国の求人数が高止まりしている理由を推測している内容だったが、その中にあった「紫色のリス」という言葉が印象に残った。
どうもこの言葉、「求人側の要件を完璧に満たす理想的な応募者」を意味する業界用語らしく、「そういう応募者が来るまで募集広告を出し続けるから求人数が減らないのだ」というのが記事の趣旨のようである。
まあ、それはともかくとして、調べてみたら紫色のリスは本当にいるらしい。
画像もあった。
確かに茶色の保護色だらけのリスの中に紫色のがいたら目立つよね。
しかし採用担当者が言うところによれば、「現在の労働市場は売り手有利なので、希少な紫色のリスには滅多にお目にかかれない」そうである。
何故なら「最も優秀な人たちは仕事を探し回ったり、手当たり次第に求人に応募したりしない」からだ。
ということは、悠然と座していれば最高の条件と高額の報酬を捧げ持って企業の方が見つけに来てくれる?!
我々平凡極まりない茶色のリスにしてみれば、染料の桶にでも飛び込んで紫に染まりたいところだが、そんなメッキはすぐ剥げる。
さて、そこで考えてみた。
じゃあ、本物の紫のリスになるにはどうしたらいいのだろう?
多分そんじょそこらの茶色のどんぐりなんか食べてちゃダメだ。
やすやすと企業に取り込まれるようでも紫は褪せる。
頭の良さだけでも保てない。
極めて独自の発想力、驚くべき行動力、リスクを恐れぬ胆力があってこそ、目の覚めるような紫は輝く!
・・・んじゃなかろうか。
しかしそんな人がすき好んで制約の多い職場で働くことなんぞ選びやしない。
だっていくらでも一人で自由にやっていけるんだしね。
それで結局企業の求人数は減るはずもない・・・ということになるわけだ。(K.S)