「読めない本」を読んだ。
先々週、ブログに書いた事で一歩踏み出せた。
人間の本質的な部分、触れられたくない、触れたくない部分。
でも、いつかは必ず対峙しなければならないもの。
見たくないもの、でも見なくてはならないもの。
気づいているのに、気づいていないふりをしたくなるもの。
・・「悼む人」・・天童荒太・・強烈な表紙の人物画・・。
重くて、辛くて、醜くくて、ドロドロとして、気持ちが沈んだ。
2年前、この本に出会った時、何故こんな本を借りてしまったの
かと後悔した。タイトルにでさえも驚き慄いたというのに。
愛と死が、この本の主題に成っている。
死が、本を少し読み進んだだけでも、ピタリと肌に張り付いて離れない。
苛立ちとざわつき、そして吐き気のような感覚がして読みたく無くなっ
た。嫌、読めなくなった。そして2年も経った。
最近、本を返せない事に焦りを感じていた。
先週、一大決心をして後半を読み始めた。
前半は、死の表現が主。後半は、愛の表現が主に変わって行った。
そしてラストには心温まる、人間愛、親子愛が、ほのかに浮かび
上がって来る。
前半、読み辛い分だけ後半の感動は大きく、爽やかさまで残った。
天童荒太・・どの様な境遇で生まれ育ったのだろうか?
著者の生い立ちに興味を抱くなんて、今までにない事だ。
この本を通して、著者から自分が追い求めて分からなかった問題の
解答の一部を貰えた様な気がする。言葉では上手く説明できない何かを。
自分の中に在った見たくないものが又一つ消えた。
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