このところ少々疲れ気味です。
まぁ商売柄仕方がないのですが、
次々と事が起こり、その対処に追われて
休みがうまく取れなくなっているのです。
今日あたりは、朝起きたとき身体がやけに重く感じました。
こういうときはラケット感情(こちらを参照)が出やすいですね。
私の場合は「怒り」です。
信号のない横断歩道で、
スピードもゆるめようとしない車の群れに向かって、
「轢くなら轢いてみろ!」と毒づきながら
足も止めずに突っ込んでいく、なんてことをする。
我ながら怖いですね。
こんなときはまとまった本も読めないので、
アトレの本屋で文藝春秋を買って帰りました。
芥川賞受賞作の「ポトスライムの舟」が全文掲載されている
というのが目当てだったのですが、その前に審査員達の「選評」を
パラパラと読んでいると、こんな記述に出会いました。
「現実をコントロールできていない登場人物を描く作家の精神は
充分にコントロールされていなければならない。」
選者の一人である村上龍氏のおことばです。
いや全くその通り。
これって「登場人物」を「クライエント」に、「作家」を「カウンセラー」にしたら
そのまま当てはまるじゃん!
って思わずわが身に引きつけてしまいました。
そうよね、横断歩道で車に轢かれてる場合じゃない。
って我に返りました。
この頃はパソコンの前に座って仕事をした後
気分転換にネットの動画でTVドラマを見るのが
密かな楽しみになっているのですが、そこでも
結構ハッとすることばに出会います。
「かなしいっていうのは、いとおしいということなんですよ。
いとおしい者の死はかなしいのです。」
倉本聡脚本の「風のガーデン」で、緒形拳扮する「おじいちゃん」が、
愛犬の死を悲しむ発達障害の孫息子に静かに語りかける場面での
ことばです。
これってCS講座で高瀬先生の言ったこと(こちらを参照)と同じじゃん!
こんなところでもさりげなく使われてたのね。
ちょっとじんわりきちゃいました。
「あのね、わたしはぜーんぶ振り払って生きているの!」
これは、山田太一脚本の「ありふれた奇跡」で、
八千草薫扮する主人公の祖母が、親友が死に瀕しているという
知らせを受け、その後落語に興じてげらげら笑っている場面で、
不審に思って部屋に入ってきた孫娘に言うことばです。
身体をよじり、パッパッと手で振り払う仕草をしながら。
「だってね、どうしようもないんだもん。そうするしかないじゃないの!」
そうよね、ぜーんぶパッパッと振り払って、
ラケットもきれいさっぱり追っ払って、
明日からまた仕事しましょ!
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