不実な恋人

 前回のブログの最後に、「折りしも本格的な梅雨の気配が
濃厚な今日この頃、来週もこんなすっきりしない空模様が
続くようなら、またつらつらと考えて続編を書いてみようかと
思っています。」(こちら)と書きました。今日も案の定空模様は
ぐずつき気味なので、予告どおりつらつら考えて書こうかと
思っていたのですが、どうも今日は脳の調子が良くないのです。
 「脳の調子なんていつも悪いだろう」と言われそうですが、
そういう日常的な話ではなくて、実際に頭の芯がうずくような
感じがあり、起き上がった拍子などにちょっとクラッとくるという
具体的な症状があります。これは私の持病である「めまい」の
予兆なのです。正しくは「良性発作性頭位めまい症」と
いうのだそうです。
 思い起こせば、冷雨そぼ降る晩秋のとある夜に
男Nの狭い冷蔵庫のような部屋で初めてこのめまいに
襲われ、救急車で運ばれたのが6年前。
忘れもしない「田中脳神経外科」。
ものものしい検査の結果、ついた病名が上記のやつ。
そのときは一日で退院して家のベッドで丸2日くらい
眠り続けたら何とか治まりました。
 原因は疲労とストレス。特に寝不足が一番きますね。
初めてのめまいのときは、サンプラ(サンプラザ相談センター)
が閉鎖する直前で、物理的にも精神的にも沢山の問題を抱えて
悪戦苦闘の真っ最中。加えてバリバリ「夜型」の私は
どうしても寝るのが遅くなり、積み重なった睡眠不足に耐えかねた
身体が「いいかげんにしろ」と警告したんでしょうね。
 この前のブログで男Nが、「若気の至りのクダラン歌」を
恥ずかしげもなく載せてましたが(こちら)、まあ、
夜が優しく自分を包んでくれる恋人のように思える感じは
私も分からなくはありません。ついその甘い誘惑に抗えずに
つきあってしまうんですね。
 だって本を読むにも文を書くにもビデオを見るにも、人々が
寝静まった丑三つ時ほど心地よく集中できるんですもの。
エキサイティングなライブが終わるのは決まって真夜中だし、
親しい仲間ともお喋りも夜中になるほど楽しいし、どうしたって
引き止められるまま夜とつきあうことになってしまう。
 しかし、「夜という恋人」は必ず陽が昇るとともに姿を消し、
残されるのは疲労感のみ。それでも身すぎ世すぎは世の習い、
渋々「朝という夫」とともに働いた後、また訪れた恋人に性懲りもなく
つきあってしまう。「朝という夫」とだけつきあっていれば、
とても健康的で生産的な生活が保証されているというのに・・・。
 そんなよこしまな恋の行き着く果てが「めまい」という症状。
その後何回か予兆があるたび「別れよう」と決意しては、
いつの間にかぐずぐずとよりを戻してしまうのです。
 だってどうしても「朝という夫」とは相性が悪いんですもの。
世間の人たちは口をそろえて彼を賞賛するけどさ。
それ聞いてると、何だかエネルギッシュな母親アマンダに
「さあ、今日も元気で頑張りましょう!」って毎朝言われる
「ガラスの動物園」のローラみたいな気分になっちゃうの。
まあ夫だし、仕方ないからやっとこさっとこつき合うけど、
やっぱりこの夫だけでは満足できないわ。
「ボヴァリー夫人」のエマのように、実りのない恋と知りつつ
夜に溺れてしまうのよね、あゝ!
 ・・・なんて人のことは言えないようなクダランことを
書き連ねてしまいましたが、何はともあれ今日のところは
夜という不実な恋人をさっさと追い返して休むことに致します。
先週の予告ブログに関しては、また書けるときに書くと
いうことで、悪しからず。
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