それぞれの出発

 昨日A子さんのブログにもありましたが、
「木村周先生特別講義」を開催し、主催者として
感じるところが多くありました。
NPO活動カレンダーにもアップしましたのでご覧ください)
 現在の労働環境が日に日に厳しさを増しているのは、
相談内容からも痛感するところですが、そのなかで
感じるのは、「どう生きるか」ということと、「どう働くか」
ということが、より重なりを強めているということです。
 言い換えれば、「どう働くか」を自由に決めることが
困難な状況では、「どう生きるか」は、その働き方に
規定されてしまいがちだということです。新卒での
就職を逃すと、後は非正規雇用などの不安定な仕事に
甘んじなければならないというのが一般的な現状です。
「働かずに引きこもる」という行為も、「どう働くか」の
変形と捉えれば、それが必然的に「生き方」を大きく
左右することは否めません。
 先生から提起された「キャリア・ガイダンス」の
重要性や、それが今日「キャリア・コンサルティング」
と名を変えて、益々必要性が叫ばれている現状で、
しかし果たしてそうした国の方針が充分に機能して
いるのか、という疑問は多くの方が抱かれたようでした。
 「働く」ということの困難に突き当たっている個々の
事例では、本当に様々な要因が見受けられます。
その人の心理的な問題から社会的な問題まで、
ミクロでみていけば、それこそ千差万別です。
しかし、そのなかで浮かび上がってくる現代特有の
課題は、確実にあることが感じられます。
 そこをどう掬い取り、どういう形で支援に結びつけるのかは、
かなり難しい課題です。単に「キャリア・コンサルタント」の
数を増やすだけではどうにもなりません。重要なのは
その中身です。何十万もの費用をかけて資格をとっても、
仕事の場が用意されているわけではないし、多分充分な
研鑽の機会も多いとは言えないのが現状でしょう。
 「働く人たち」は今どんな支援を必要としているのか、
それはその人によって一様ではないし、型どおりの研修や
相談では対応しきれない事例も多くあります。そのなかで、
私という個人は何ができるのか、どこから出発するのか、
ということが問われていることを痛感します。
組織もネットワークもまずは一人からしか始まりません。
 一人でできることなどたかが知れているのですが、
それでもそこから始めてみるしかありません。昨日
木村先生も強調されていたように、まずは身近なところ
から、そして徐々に外に向かって、自分が抱えている
課題や悩みを投げかけてみることです。
 昨日参加された方々が、何らかの形で「自分なりの出発」を
してくださることを願いつつ、私自身もささやかではあっても
自分ができることを続けていこうと思います。
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