以前、といっても40年以上も前のことになりますが、
私は本屋さんをやってみたいと思っていました。それもただ
漫然と本を売るだけの店ではなく、自分の好きな本を
優先的に仕入れて一等地に置くような、主張のある店です。
そこに椅子を置いて自由に本を読んでもらったり、何なら
コーヒーとかもサーブしたりする。店を閉めた後はそこで
読書会を開いたり、同人誌の編集をしたりもする。そんな
ことを思い描いていました。
たまたま本屋を経営している知人にその話をしたら、
一笑に付されましたね。「僕たち本屋はどうやって立ち読みを
減らそうかと毎日苦心惨憺しているのに、椅子を置くなんて、
どこからそんな発想が出てくるの?」と鼻先であしらわれて、
まともに聞いてももらえませんでした。
いかにも「単なる本好きの小娘のたわごと」と聞き流されて
しまったこの発想、しかし昨今の本屋さんには結構椅子の
置いてあるところも見かけるようになったし、「コーヒーをサーブ」
というのは今流行の「ブックカフェ」に通ずるものですよね。
「自分の好きな本を一等地に置く」というのだって、今や
「書店員の選ぶ本屋大賞」なるものもできたりして、強ち
無謀なアイディアとも言えないじゃないですか。
かように「時代の先を行き過ぎる発想」というのは、
いつの世も迫害されるものです。これは、その時代の
人々の間に頑なに蔓延している「~はこうであらねば
ならない」という思い込みによるものです。こうした硬直した
価値観ほど、自由な発想を妨げるものはありません。
これって知らず知らずのうちに感染するから、ちゃんと
かかったことが分かる「新型インフルエンザ」なんかより
百倍有害かもです。
因みに、これからCSNが新事業として取り組もうとしている
「焼きドーナツ」の製造販売についても、私はあるイメージを
作りつつあります。コンセプトは「地域のコミュニティースポット」
です。「その土地に住んでいる人々の集いの場」を作ることです。
昼間は焼きたてのドーナツをほおばり、おいしいコーヒーをのみながら
ちょっと一息ついたり、顔を合わせた人とお喋りを楽しんだりする。
夜になれば酒を酌み交わしながら、そこに居合わせた人たちが皆で
しみじみと人生を語り合う。そう、あの60年代のパリのカフェのように!
あんな熱気は望めなくとも、こじんまりとしんみりと。
どうも、「フン、ただの世間知らずの老婆のたわごとさ」と
切って捨てる声が聞こえてきそうな代物ですが、でもね、それって
もしかして「商売というのは~しなきゃいけないもの」っていう
「オモイコミエンザ」に感染してるんじゃありません?
以前は歩みののろい亀さんのような感じだった時代の
スピードは、今や何倍にも上がっています。きっと遠からず
私に追いついてくれるはず。そうすりゃ「オモイコミエンザ」
なんてコワくないモン!
・・・と、今年最後のブログが些か大言壮語気味になって
しまいましたが、「新事業」なんてこういう風にしてテンション
上げていかないことには、とても実現なんてできません。
できませんが、いざ開始となれば、FCのエネルギーだけじゃなく、
現実に根ざしたAの判断力が必至。その辺は決してぬからぬ
つもりでおります。「鳩のように清く、蛇のように聡く」という
私のモットーは、老いて益々堅牢です。ご心配なく。
それでは皆様、まだ時期は定かではありませんが、
来年のドーナツ屋開店をお楽しみに。よいお年を!
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