風邪薬なんてしゃらくさい!

 一昨日の夜からぶり返した風邪が未だ退散して
くれない。今朝もまだだるさはとれず、起きてもすぐ
横になりたくてさっきまで寝ていた。こういうときって
いくらでも眠れるから不思議。
 さて、今日は夕方からカウンセリングの予約が
入っている。こんなぐたぐたを立ち切って、態勢を
立て直さなきゃ。
 そこで買ってきてあった「新潮45」巻頭の
曾野綾子氏のエッセイを読んだ。氏の書いたものを
読むと心がシャンとなる気がするのである。今回の
震災に纏わる随想の終盤に曾野氏が1999年にソ連
ベラルーシのゴメリ州に入ったときの話がある。
氏が日本財団の長をしていた頃の話で、チェルノブイリの
原発事故汚染地区の子どもたちの健康診断を財団が
引き受けていたのである。
 炉心から30キロゾーンの居住禁止区域にも何十組かの
家族が暮らしていて、曾野氏たちは何軒もの家を訪ね、
歓迎されたり、金をねだられたりしたという。小学校
もあって女性校長から「事故の後遺症の子どもの存在」
を訴えられた。病気なら何でも「後遺症」だと言い立てる
厚かましさに触れ、氏は「すべてを原発事故に結びつけて、
たくましく生きようとする人々は健在だったのである」
と書く。
 放射能が残るという村に住んで、元気一杯に暮らしている
赤鼻のアル中の老人のことも書かれている。きのこも
ジャガイモもどっさり採れて何も困ることはない。
「放射能が怖くないですか?」と聞くと、「強いウォッカを
飲めば大丈夫なんじゃ」と答えた、という。
 「まるで上質のロシア文学を読むような思いで、今でも
記憶に鮮明に残っている」と氏は書いている。こういう
話読むと、日本が戦争して勝てるはずないよねって思う。
何もかもが神経症的色合い一色に染め上げられているように
見える日本。「鬼殺しを飲めば放射能なんか平気なんじゃ」
って言う豪胆さって望むべくもないのかしら。
 でもこういう話読むと元気が出る。
錯覚でも一時的にしゃんとした気分になる。
鬼のいぬ間に…じゃなくて「鬼のいる間に」仕事しよう!
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