「花よりダンゴ」のローストビーフ

 今年の春はひと足もふた足も早い。
今やあちこちで桜は満開。来月に予定しているお花見は、
どうやら「花よりダンゴ」を愛でることになりそうだ。
 今週の日曜日、そんな春の日にふさわしい宴が催された。
T社長率いる「株式会社楽」の「設立23周年記念家族パーティー」である。
社員でも家族でもない私であるが、はからずもお招きを受けて出席した。
まだ50歳そこそこのT社長が23年もの経営の歴史を積んでこられたとは、
何とも驚きである。
 会場の「横浜うかい亭」は、雰囲気のある建物と庭園が素晴らしい
レストラン。そこに社員とその家族の方々およそ40名が一同に会して、
これもまた素晴らしい料理の数々を堪能した。
 社員の方たちとはもう顔なじみであるが、ご家族とは殆ど初対面。
小さいお子さん方も多くて賑やかな会食であった。それにしても
全社員の家族を招待するとは、T社長らしい豪快さである。
 広いサロン風の会場で次々に供される創作コース料理。
ウニの茶わん蒸し風先附け、いかと菜の花のオードブル、空豆のスープ、
魚介のナージュ、とどれもこれも美味。そして極めつけはメイン料理。
「幻のローストビーフ」とも呼ぶべきその一品は、これまでに出会った
ことのない、まさに極上の味わい。T社長が「本場イギリスで食べた
サボイホテルのローストビーフに勝るとも劣らぬ味」と太鼓判を
押すだけのことはある。
 何でもこのローストビーフ、普段のメニューにはないそうで、
大人数のそれも特別注文でしかオーダーできないのだとか。
それもそのはず、何せ一切れの大きさが半端じゃない。ということは
よほど大きな塊肉を使わなければならないわけで、外で食べた
おいしいものは必ず自分で作ってみる私でも、こんな大きな
極上肉の塊は用意できないから、この味にはもうここでしか会えない
ということになる。
 ローストビーフとは「ステーキよりちょっと固めのハムみたいなもの」
という貧乏人の観念を見事に打ち破り、口に入れた途端に溶けてしまう
ようなとろとろの食感。牛肉があまり得意でない私でもそのおいしさに
ため息が出るほどであった。こんなインパクトのある特別料理を
家族で食べたら、そりゃあもう忘れられない思い出になるだろう。
何とも心憎い演出もまことにT社長らしい。
 こうして思いがけなく、早い花よりなお一足早く「ダンゴ」の
方を満喫した私。今年は「花」よりも「ダンゴ」についているの
かもしれない。でもこれ以上の「ダンゴ」はもう当分ないだろうなあ…
 気を取り直して、明日あたりきっと最盛であろう花を愛でに
目黒川のほとりにでも出かけてみようか。
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