昨年の今頃から関わってきた某事件の裁判がいよいよ
来月初めに迫ってきた。3日間の公判のうち
私が弁護側の証人として出廷するのは最終日。
そこで何と1時間ものプレゼンをして欲しいと言われてのけぞった。
何だそりゃ?!
あたしゃ商社のセールスマンじゃないぞ!
以前同様の事件で証言したことがあったのだが、
その時は幾つかの弁護士の質問に答えるだけでよかった。
勿論心理的な背景や見立ての説明もしたのだが、
それも全て質疑応答のような形で口頭で行った。
裁判長から2~3質問があったが、概ねよく理解してくれて、
検事の反対尋問も大したこともなく終わった。
だから今回の証言もそんな感じのイメージしかなかった。
ところがである。
今回は泣く子も黙る「裁判員裁判」なんである。
裁判所との事前打ち合わせも何回にも及んだ様子で、
そのために請われて「意見書」なるものも作成した。
過日のブログにも書いたように、それはそれで結構大変な作業だったんである。
だが、それだけでは事は終わらず、その「意見書」の内容を
裁判員向けに噛み砕いて説明せにゃならん、というのである。
それが即ち「プレゼン」なんだというのである。
今や法廷では図示盤やパワポが自由に使えるようになってるらしい。
但し、レジュメの配布や手元資料はご法度とのこと。
えーっ!それじゃあA4紙5枚にも及ぶ意見書全部覚えろっていうの?
そのうえ、弁護士がパワポの操作するとつるんでるみたいで心証悪いから、
自分で操作もしろって、冗談じゃない!
あたしゃ予備校の講師じゃないぞ!
二人の担当弁護士はこんな私に心配顔。
「とにかくリハーサルをしましょう」と毎週予定を入れてくる。
おまけに裁判所がつくった裁判員裁判の広報ビデオもご到着。
この前準備、役作りに励む舞台俳優さながらじゃないか。
あたしゃ堺雅人じゃないぞ!
しかしこうなったら、昔ならした演劇魂。
むらむらと沸き起こり、裁判員裁判がなんぼのもんじゃい!
傍聴人も多いというから、さしずめ法廷全体が観客だと思やいい。
さて、どんなキャラを演じようか。
大竹しのぶもマッツァオな名演技、見せてやろうじゃないの。
さあ、今日から科白の練り直し。
自作自演の一人芝居、60分、きっちり演じきってやるぜ!
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