先日「ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)
アドボカシーカフェ」なる催しに事務局のS君と出席した。
テーマは「生活保護の現場から見る日本の貧困問題」。
ゲストとして「NPO法人もやい」の代表理事稲葉剛氏と、
新宿区の福祉事務所で長年相談員を務めてきたという
嘉山隆司氏が来ていた。
出席者は30名余り。適宜6グループに分かれて着席し、
ゲスト2人の講演の後にグループごとに話合うという形で
進行した。私たちのグループは最初、ホームレス支援を
しているというNPO職員の女性と3人だったが、ちょっと
遅れて入って来た男女2名が加わり5名になった。3~40代と
思しき女性は、国際支援をしているNGOの職員、初老の男性は
「ごく普通のサラリーマンです」との自己紹介があったが、
両者とも他の福祉関係者とはちょっと異質な雰囲気が漂う。
視野も知識も広い方々で、お陰で他のグループとは一味違う
面白いディスカッションができた。
私は現在携わっている「生活保護受給者等意欲喚起事業」に
ついて話をしたのだが、NGOの女性が「難民支援に関わったり
していると、ずっと与え続けることが必要なのか、と疑問に思う」
という問題提起をしてくれて話が弾んだ。また「ごく普通の」
サラリーマン氏は、フランスなどでの試みを引きながら、
「こんなひどい競争社会に無理やり引き出して就職させようと
するより、農業に携わって食糧を自給自足するような営みが
できる場を提供するようなことを試みる方がいい。そのための
仕組み作りを考える方向がないとだめじゃないか」と発言。
自身も農業を体験しながらそうした活動をしているとのことだった。
それを受けて、NGOの女性が「支援にクリエティビティーが
ないのよねえ…」と洩らしていたが、まさにである。
福祉関係の集まりに出ると、いつも共通した雰囲気がある。
今回もそうだ。何かが足りないのである。何だろう?と考えて
ハタと分かった。そうFCがないのだ。皆真面目で一生懸命で
NP的なんだけど、チャイルドっ気はない。あったとしても
ACなのだ。FCがなきゃ、クリエティビティーなんてある筈が
ない。
会が終わってから私の方から名刺交換をお願いした。
「普通のサラリーマン氏」は、何と日本を代表する大手の広告会社の
役職者である「エラ~イエリートリーマン氏」であった。女性の方は
以前の同僚だという。福祉の世界にクリエティビティーを持ち込む
ためには、こうした企業系の人たちの参加がないとだめなんだよねえ、
きっと。
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