雑巾がけの効用

 ここのところしばらく休みがなく、掃除もできなかった。
そのせいか、買ったばかりの冷風扇にうっすらと埃がたまり、
何だか暑苦しいので久しぶりに拭き掃除をした。
タンクトップに短パン、首にタオルを巻き流れ出る汗を
ふきふき雑巾がけ。2階全部をやると結構な運動だ。
 しかし雑巾がけというのは単純な動きだし、
頭も使わないから、やっているうちに色々なことを考える。
それも具体的なことではなく、漠然としたことだ。
 例えば・・・
 今日何だかかったるいのは身体が疲れているのか、
それとも何か心にわだかまりがあるせいなのか?
そういえばこの間「かったるいから始まるこころの病」
とかいう本を読んだな…まあ、こころの病なんてことは
ないにしても、ちょっと気が重い感じはあるよな、
これって何でだろう…意識で変化を求めすぎているって
ことはないか?停滞と見えるものに倦んでいるんじゃ
ないか?イメージに依存しすぎてはいないか?
先行の見えなさをイメージですり替えてるんじゃないか?
etc、etc…
うーん、多分どこかに流されているものがあるんだ、
土台、こんなことを考えるのが、変化を恐れている
証拠じゃないか!果敢さを失っちゃおしまいよ、
とにもかくにも、眼の前にあることからやっていくさ…
怯むな、世界は私の中にある!

 と…、ここですくっと立つ。
 こうして雑巾がけが終わる。
そして不思議なことに、必ず最後に何か決断をする。
 そういえば、かの河合隼雄先生だっておっしゃっていた
じゃないか。
 「思い悩んだときは、雑巾がけをするのがいい」。実感!
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