こころのゴミを減らすには

 一昨日は近郊某市のボランティアセンターで講座。
同センターで行われている「高齢者電話訪問事業」に
携わる相談ボランティアさん方への研修講座である。
この講座、毎年お正月明けに開かれるので、ここ
十数年出張の初仕事となっている。
 担当メンバーはほゞ変わらず、講師も変わらず
なので、行けば殆ど同窓会状態。最初の頃はテーマを
決め、レジュメも用意して結構アカデミックに
やっていたのが、段々に自由に話し合うような形に
なっていき、今はもうレジュメに書いてあるのは
講師名だけ。テーマはその日の活発な話し合いから
自ずと浮かび上がってくる。
 今年は冒頭からちょっとヘビーな話題。
いつものように電話をかけたら、その対象の方が
昨年の暮れに亡くなっていたというもの。そうした
ケースはここのところじわじわと増えているという。
勢い「老いと死」を巡る話となった。
 対象者は一人暮らしの方が多く、この「電話訪問」は
安否確認的なところも担っている。しかし前回までは
ずっと元気に応対していた人が、いくら呼んでも出ない
という事態に遭遇すると、どうしても最悪なことを
想像してしまってやきもきする。諦めて電話を切った
後もしばらく気になって仕方がない。
 その他にも段々元気がなくなって、電話は取るのだが
何を話しかけてもずっと沈黙している人、意味不明な
ことを延々と話す認知症気味の人など、どう対応したら
いいのか戸惑うようなケースも多くなっているとのこと。
対応への苦慮が察せられる。
 電話とはいえ、というか電話だからこそということも
あろうが、どれだけニュートラルに余裕をもって
そうしたケースを受け止めるか、というのはかなり難しい
課題である。バイステックの言う「自己の感情の統制」を
要する局面である。ボランティアを長年務めている方々
だからNP旺盛、そして使命感を強めるCPもしっかり。
まずは「自分を緩める」ということが必要なようである。
 そこで「こころの中にあるゴミ箱」の話をした。
対象者の方々は多分ゴミ箱が一杯。だからそれを幾らか
でも受け取ってあげることが支援者の務めとなる。
そのためにはいつも自分のゴミ箱にスペースを空けて
おかなければならない。なるべくゴミが溜まらない
ように、溜まったらできるだけ速やかに処理するように
しようということである。
 「え、どうしたらゴミ減らせるんでしょう?」
とメンバーからの質問。まあそうだよね。そこで
「こころのエコ」のコツを一つ披露。それは「いい人だ
と思われたい!」という情熱を捨てること。これで
ゴミの半分は減らせる。それから自分のゴミは
どんなものかを目を逸らさずに直視し、誰かに
表現して聴いてもらうこと。それにはメンバー相互の
率直な交換がとても役に立つ。
 この講座の後、以前この市で一緒に仕事をしていた
Iさんと会ってランチを食べた。お互いにこころのゴミを
聴き合い、少し軽くなった気分で帰途についた。
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