私の中で2度目の菊次郎ブームが起きている。
公開された映画「ニッポンの嘘~報道写真家
福島菊次郎90歳」を観たのが2年前の夏。
そして昨年の今頃DVDが発売され、手に入れたのが
数か月前のことである。
映画館で観たときは衝撃的で「すごい!」の
一言に尽きる思いだったが、また改めて観ると
今度はそのすごさがしみじみと身に染みてくる。
娘さんが「あんまり言いたくないんですけど…」
と前置きしながらも、「かっこいいですよ、
自慢です」と語る場面なんか、本当に感動的だ。
90歳にして娘に「かっこいい」と言わしめる
なんぞ、まったくもって素晴らしい。
「私を見て」というゼッケンをつけてバスに
乗り込み、乗客の肩をたたいてアピールする
若き日の障害者のTさん。それを追って撮影する
福島さん。その彼女が久々に福島さんを訪ねて
くる場面がある。その後もリブの前線で戦い続けて
いるという彼女が、何とカウンセラー仲間のIさんの
友人だということが分かったのも驚くべき奇遇。
私の勧めでこの映画を観たIさんがびっくりして
知らせてくれた。
福島さんがリブの集団生活を撮影した写真が
映画の中で紹介されているが、Iさんの話だと
よほどのことがなければ部外者を中に入れる
ことはなかったから、相当信頼を得ていたの
だろうとのこと。映画では、「今では殆ど戦いを
やめてしまった男たちに比して、現在に至るまで
戦いから離脱した女は一人もいない」という
ナレーションが入るが、まことにその通りだと
Iさんは言っていた。
さて、こうして再び菊次郎さんが私のなかで
クローズ・アップされるのは、いよいよ本格化した
改憲談義の故でもあろう。しかしそれにも増して
私を惹きつけるのは、そのチャーミングさである。
過激な思想や物言いにもかかわらず、菊次郎さん
には何とも言えぬ「可愛げ」といったものがある。
娘さんの言う通りそれがとっても「かっこいい」。
それにしてもである。
私の伯母も菊次郎さんと同じく今年93歳で一人暮らし。
そして負けず劣らずチャーミングでかっこいい。
どうして今の90代は有名、無名、男、女にかかわらず、
かくも骨太でかっこいいのか。
考えられる共通項は「戦争体験」であろう。
万に一つもいいことがなかったかに見える戦争にも
「骨太でかっこいい人間をつくる」という隠れた
大きな利点があったのかもしれない。
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