暑苦しい結論

 一年ぶりに国会図書館に行った。
去年もこんな暑いさなかに通ったなあ…
と思いながら永田町駅からの道を歩いた。
 思えば昔々の学生時代から、何故か
国会図書館に通うのは夏の盛りである。
卒論の資料探しから最近の論文検索まで
猛暑に追われぬとやる気が出ないみたいだ。
 「やる気」と言えば、先日の日経
「プロムナード」に、高橋秀実氏が
「やる気が起きない…暑い夏は特にそう思う」
という書き出しで始まるエッセイを載せていた。
題して「モチベーションは要らない」。
 その文章は「『特に』というくらいだから、
私は一年中そう思っている」と続く。そして
「振り返ってみれば、私は幼少の頃から
『やる気』と無縁だった。勉強、スポーツ、
そして仕事も。やりたくて仕方ないからやる、
というより、やるより仕方ないからやる。
それでも何かをしてきたわけで、実は
『やる気』と『やる』は無関係ではないかと
思うのである」んだっていうのである。
 氏は、「特に『やろう』と意識しなくても
私たちは行動を始めているらしい」と、「眼の前に
あるコップを取る」という行動を例に引いて言って
いて、「『やる気』がなければやれないというのは
一種の思い込みにすぎない」とまで言い切る。
 さすが、「平成のノンフィクション作家」。
「弱くても勝てます」のエリート校出身の秀才。
何事かをやるのに「やる気」なんそという暑苦しい
ものをちらつかせるのは誠に無粋。ましてや
「モチベーション」などという「やる気」が
格上げされたような言葉は何だか不快。
ま、そのすかしっぷりも嫌いではないけれど。
 でもやっぱり「昭和の凡人ばあさん」には
暑さに掻き立てられる「やる気」がなければ
国会図書館には通えない。行動するのに
「モチベーション」が要らないなんて思えない。
「やる気」と「やる」の間に何の関係もない
なんてことはない。深い仲ほど意識されない
だけなのである。
 
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