福祉甘いかしょっぱいか

 先日来、精神保健福祉士のテキストを読み進めて
いることは前回も書いた。やっと最初の「精神医学」
を読了、舌をかみそうな薬物名からも解放されて、
さて次である。「精神保健福祉の相談援助」という
中核的なテーマに入った。
 しかしどうものっけからすらすら読めない。
あっちこっちで引っかかる。
「障害は個性なのだ!」とか断言されると、
「えーっ、そうかねえ…」と思ってしまう。
「わが国にの国民には偏見差別が牢固として根づき…」
などと決めつけられると、「おいおい、そりゃ
言い過ぎじゃね?」と突っ込みを入れたくなる。
まあ、それでも何でも読み進めなきゃはじまらない。
ページを繰るうち、何とも極めつけっぽいこんな
文章に出会った。
「孤立から個人を救い出し、地域社会の構成員として
生きる勇気を少しでも共有できるなら、ソーシャル
ワーカーにとってこれほどの生きがいはない」
 …って、思わずゲーッとのけぞった。
 福祉の世界ってこういう人で成り立っているんだ
ねえ、と妙に感心もしてしまった。
労苦をいとわぬ情熱と使命感、頭が下がるまでの努力。
人権無視や差別への憤りつとに激しく、「怒りこそ
行動のエネルギー」と説く。クライエントとの苦悩に
共にかかわる感性がないものは、福祉の仕事に
ふさわしくない、と切って捨てる。
 え?これ、「ソーシャル・インクルージョン」って
いうタイトルがついてるけど、どう読んでも
エクスクルージョンじゃない。インクルージョンを
熱く説きつつ、結果的にエクスクルードしてる。
笑えないこの皮肉。
 福祉はもっともっとおおらかでいい、と私は思う。
そうじゃなければ、私のようないい加減な人間は早晩
排除されてしまうだろう。今福祉に必要なのは、怒りの
エネルギーではなく、FCのもつ自由闊達な活力なのでは
あるまいか。それでこそ実のあるインクルージョンが
実現できるのだと私は思っている。
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