「カウンセラー」という仕事

 このところ当法人のカウンセリングルームをレンタルして、ご自分のカウンセリングに使うカウンセラーさんがぼちぼち出てきている。今日もTさんが申し込んでくれていて、1ケースを行っていった。
 Tさんはときどき来訪してくれるのだが、今日はちょっと疲れた顔をしていた。彼女は大学やクリニックで働いているのだが、大変なケースも多いらしい。加えて職場での人間関係もいろいろあり、なかなかヘビーな毎日みたいだ。
 
 Tさんならずとも、カウンセラーはヘビーで孤独な日々を送っている人が多い。ケースのことは他言できないし、職場でも立場の違う人たちの中で余り理解が得られなかったり、複数のカウンセラーがいる場合でも、その立ち位置や主義の違いによるカウンセラー同士の反目というのもあったりする。また掛け持ちしている職場ごとに事情も状況も違うから、素早い切り換えやかなりの順応性も要求される。忙しいうえにストレスフルなのよねぇ。
 それにカウンセラーというのは大体が非常勤で、安定した働き方ができないというのもオーバーワークになりがちな原因だ。かなりのベテランでも、同じ年数勤続の大学職員ほどの収入を得るためには、スケジュール帳を超人並みにびっしりと埋めねばならないだろう。
 そんな悪条件でもカウンセラーをめざす人は多いし、現役は自分の身体を酷使しながら忙しく飛び回っている。我がNPOの理事たちも例外ではない。Tさんもこの仕事に自身を賭けているようだ。大変な仕事ほどやりがいもあるということなのよね、きっと。現場で人と関わる仕事というのは、カウンセラーじゃなくても魅力的なんだと思う。福祉の分野で働いている人たちにも似たようなものを感じる。
 さて「私は…?」というと、今日もTさんから「元気そうですね」と心なしか羨ましげに言われたばかり。私だっていろいろ掛け持ちしてるし、NPOの運営には苦労も多いし、ケースだって結構ヘビーだし…、それでも元気なのは何でだろう??とつらつら考えるに、やはり私は人に恵まれているんでしょうね。それと基本的に好きなことしかやらないというのも大きい。そういう環境にも恵まれてると思う。でもたった一つ恵まれていないのは…「稼げない」ということ。どこかに経営手腕のあるカウンセラーいないかな。。。

カテゴリー

投稿の月