「関係を生きる」ということ

 昨日のA子さんのブログにコメントしようかなと思ったのだけど、今日のブログネタにさせて貰います(こすっからい?!)。
 さて、A子さんもsetsuさんも「自分のことしか考えていない」と言ってるけど、人間つまるところは「自分が大事」なんじゃないでしょうか。自分より他人のことが大事だというのは、やはりちょっと変ですね。そこまでいかなくても、「できることなら面倒くさい他人のことなんか考えたくもない。自分のことだけ考えて閉じこもっちゃいたい。思いやりなんてクソクラエ!」とまぁそんな気分になることもままありますよね。そうでしょ男N?
 だけど厄介なことに人は一人では生きられないというのもまた事実です。他者がいなければ自分が自分だということも認識できなくなるし、自分が存在するということすら分からなくなってしまいます。だから他者は大事な存在なのです。とはいえ他者は誰かの自己認知を補完するために存在するのではなく、誰もがその人自身のために存在するのですね。そのことをお互いに深く認めたうえで関わることが必要になります。
 人は誰でも自分を生きているように見えて、実のところ「関係」を生きているのだと思います。親子、夫婦、恋人、友人、同僚、上司…様々な関係がありますね。カウンセラーとクライアントというのも関係の一つです。感情に基づいたもの、役割が先行するものなどそれも多種多様ですね。しかしどの関係も行き着くところは人と人の関係です。
 「人と人の関係」というのは実際大変な代物です。人は誰しも「自分が一番大事」なんですから。自分よりも他人が大事に思えないと関係が結べないというのであれば、人は誰も関係なんか結べなくなってしまうでしょう。親子の間だってそうです。よく「無償の愛」とか言いますが、厳密に分析すれば人間の愛というのはとどのつまりは「自己愛」に行き着く、というのは、かのコフート先生もおっしゃっているところです。
 「自分のことしか考えない」というのは、多分他者の愛を疎外している状態なのだと思います。「他者の愛」に余りに多くを期待して、それが得られないことに失望し、関係を生きることを拒否したくなっているんじゃないでしょうか。
 「人は誰でも自分が一番大事なんだ」ということを心底思い知ったうえで、それでも他者に対し何がしかの思いをかけるとき、人は関係を生きることができるのではないでしょうか。そのとき人は、自分のことで一杯だった心のどこかに、ほんの少しでも他者のための場所が空けられるのだと思います。
 どんなに大変でも私は関係を生きたいと思っています。そしてそれがカウンセラーという仕事の基盤にもなっているし、夫との関係やCSNの仲間たちとの関係も支えているのだと感じます。
 
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