オルタナティブへの道

 今日NPO活動カレンダーにも書いたのですが、
ただ今当NPO事務局は、来る23日の第4回通常総会に向け、
その準備に追われる日々を過ごしています。
 今年も事務ボランティアnekoちゃんの働きはまことに大きく、
お陰で財務諸表と事業報告書はほぼ出来上がったのですが、
まだ事業計画書と収支予算書が残っていて、作成にとりかかって
いるところです。
 初年度の大赤字がまだ埋めきれぬまま、2年続きの黒字も
今年はどうやら息切れして赤字決済になりそうなところを、何とか
理事個人からの寄付金収入で免れましたが、来年は事業だけで
どうにか黒字にもっていきたいものです。
 そうは言っても、今年度もまた大儲けできるような事業など
やれる見込みもないので、まあ、今まで積み上げてきたことを
地道にやっていくしかないのですけどね。それでも事業報告書
を見ると、年次を追うごとに事業数は増えているし、内容も
発展してきているのを感じます。
 CSNという機関の特徴や持ち味も、段々にはっきりとしてきた
ような気がします。最初はサンプラザ相談センターの活動の
継承ということで、相談専門機関の色合いが濃かったのですが、
このところ、活動に携わるメンバーが育ってきて、パーソナル
サポートグループなどのユニークな活動を展開し始めており、
次第に軸足を「オルタナティブサービス」へと移しつつあります。
 「オルタナティブサービス」というのは、精神障害者グループの
活動に見られる「セルフヘルプグループ」や「ピアカウンセリング」
を中心とした活動様式で、利用者自身によって作り出され運営
される援助サービスのことです。そこには、障害者の持つ潜在的
な力への着目と、障害者自身が単に専門家から援助を受ける
対象に留まらず、自分たちが援助者となってお互いに支え合う
ことへの必然的な希求があります。
 日本では、80年~90年にかけて、専門職のリードを脱して
障害者が自分たちの手で組織を立ち上げ、自分たちの手で
運営する施設が全国で相次いで開設され、実績を積んできました。
そうした施設は今や相当数にのぼり、障害者にセルプヘルプの
場を提供したり、ワークショップを開催したり、就業サポートサービスを
提供したりと、幅広い活動を展開しています。
 彼らは今までの活動のなかで力量を蓄え、セルプヘルプ精神は
成熟を見せて、専門家やボランティアと対等なパートナーシップを
結んで活動をより発展させようとしています。そこで活躍するリーダー
たちは、生活保護や障害者年金で生計を立てながら、事務局長として
組織運営を担い、ソーシャルワーカーやピアカウンセラーとしても
活動しています。
 ある先駆的な組織の事務局長は、91年にセントルイスで開かれた
「日米障害者協議会」に生活保護受給者の立場で参加して、話題を
呼んだといいます。彼女は現在、数々の障害者組織で要職を兼ねる
傍ら、大学の非常勤講師まで務める活躍ぶりを見せています。
 CSNの未来像を求めて、ここ数ヶ月というもの、福祉関係の書籍を
読み漁っていたのですが、この「オルタナティブサービス」という言葉
に出会い、まさに今CSNが模索している方向はこれなのではないか
と膝を打つ思いでした。今年度の事業計画書には、是非この言葉を
入れて指針を示し、総会の席上で会員諸氏に諮るつもりです。
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