寄らば大樹の木

新卒で就職する時、大企業ばかりに応募していた。
自分の人生を安定させることが何より大切だと思い、
その為には一流企業に就職しなければと思った。
でも、私の掴んだ大樹は、大きくはあるけれども、
強度はなかった。
すでに年を取り、勢いのピークを超え、私が自分の
定年を迎えるまで、しがみついても大丈夫なだけの
体力があるのかも怪しい企業だった。
でも、私はそこにしがみついた。
実存する私の親が「傾いていても大企業だから」と
言った言葉に従って入社した。
入る前から、「いつ潰れるかわからないから、
転職できるだけのスキルを身に付け、何年かしたら
転職しよう」と思っていた。
始めの2~3年は、いつ潰れるのかとビクビクしていた。
そのうち、倒産の最大のピークを越え、その辺りから
自分の感覚が麻痺してきた。
思考を停止させた。
「会社を辞めなさい」という声と、「でも、何だかんだ
言ったってそこは安全だよ」という声が両方聞こえてきた。
どちらも、もっともだと思った。
どちらも、選べなかった。
ただただ、時間が過ぎていき、自分が歳をとっていくのに、
その事実さえ見ないようにしていた。
どちらかを選択するのが恐かった。
どちらを選んでも、その先にはあまりいいことがないように
思えた。
だから、私は目を閉じ、耳を塞いだ。
時間が過ぎるのを待った。
時間が過ぎれば、きっと物事は解決している。
私が目を開けたときには、きっと状況は今より良くなっている。
時間が過ぎても、何も解決しないのに。
今、会社を辞めることを選択しようとしている。
でも、まだ「ここは安全だよ」っていう声が聞こえてくる。
「親」と「子ども」が争っている。
私の「成人」が育つことが必要な時だ。

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