しんたんが伝えたこと

ある日、子ぐまのしんたんが自分に尋ねました。
『ぼくは人なんか大キライ、405はキライじゃないの?』
自分は答えに詰まった。
キライってどういうことなの?
「わからないよ」ってしんたんに言ったら、
しんたんは怒りだした。
『ウソだ!405も人キライなはず!なのになんではっきり言わないの!』
と言って噛みついてきた。
自分は「だって人にキライって言うのも、感じるのもイヤなんだよ。」
と言うと、しんたんはさらに怒りながらこう聞いてきた。
『キライって言ったり、怒ったり、感じたりしたっていいじゃん!』
確かにそうだ。
だって自分のキモチがそう思うなら、それでいい。
それは自分でもわかってるはずだ。
自分は「人にきらわれたくないし、こわいんだよ」と答えた。
しんたんは『じゃあ405は405のことをきらわれたくないし、こわいんだね。』と言った。
「それは他人だからであって、自分のことはきらいだな」と言うと、
『405は他人にきらわれたくないのに、自分がキライってヘンだよ』
変だね、そうだね。
じゃあどうすればいいのかな、しんたん。
『他人もキライって言えばいいじゃん、思えばいいじゃん、感じればいいじゃん』
簡単そうでできないこと。
でもそれを越えない限り、他人へのキライの先にある自分の感情に気づけない。
しんたんが怒りを通して伝えた、自分への信用の一歩なのだろう。
そうだろ、しんたん。
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