昨日のブログでA子さんが残念がっていましたが、
先週末の土日は、NPO事業サポートセンター主催の
「NPOまつり2008」に参加しました。その様子は
「NPO活動カレンダー」にアップしておりますので
ご覧ください。
会場の代々木公園には野外ステージがあり、
そこでは音楽関係の団体を中心に終日何らかの
催しものが行われていました。私たちのブースは
ステージの傍にあったので、様々な音や演奏が
いつも耳に届いていたのですが、こちらも自分達の
催事で忙しく、殆どは意識にものせずに聞き流して
しまっていました。
その中でふっと意識に入ってくる歌があったのです。
それは去年のNPOまつりでも聞いた覚えのあるもの
でした。今年は初日の口開けのステージだったので、
まだお客さんも少なく、去年よりもはっきりと聞こえて
きました。
「おれたちはせんせいにいじめられた、
ようごがっこうのせんせいにいじめられた
うごきがのろいってけられた
こんなのもできないのってなぐられた・・・」
ステージに目を向けると、チンドン屋風な派手な
衣装をまとった一群の若者たちが、チンドン屋風な
演奏にのって、チンドン屋風に踊りながら、歌詞の
悲惨さとは裏腹に至極陽気な調子で歌っていました。
ステージのプログラムを見てみると、「虹の会」と
ありました。
「きゅうしょくをくうなっていわれた
きょうしつにいなくてもいいといわれた
あのせんせいはおれたちのこと
たすけてはくれなかった
どうせなんにもわからないって
しょうがいがあるだけでばかあつかい
おれたちはせんせいにいじめられた・・・」
いやぁ、すごいメッセージ性ですねぇ。そういえば
ステージの前に真っ赤な衣装に白塗り化粧の女性が
歌詞カードを各ブースに配ってたっけ、と思い出して
それを改めて広げてみると、面白い歌が沢山載って
ました。
「もっともっともっともっときゅうりょうがほしい・・・
いまよりもっときゅうりょうがほしい
けいたいかってデートにいきたい
あそびにいきたいおだいばはちのへ
あくじにてをそめるそのまえに
まいにちやすまずちこくもしないでいらっしゃーいませませ
そうじもいっぱいせんでんいっぱいいらっしゃーい
もっともっともっともっときゅうりょうがほしい・・・
いまよりもっときゅうりょうがほしい
みんなとゆうはんからおけもいきたい
ひとりぐらしもしたいから
いまよりもっとしごとをがんばるぞ
しなものならべてのぼりをあげていらっしゃーいませませ
きょうもげんきにおきゃくさんいらっしゃーい」
この歌のタイトルは「かねもちになりたい」。
中島みゆきの「狼になりたい」を連想しちゃいました。
この頃はこんなにメッセージ性のある歌は
メジャーではとんと聞かれなくなってしまいましたが、
フリーターやワーキングプアーの話などを聞くと、
私なんぞは岡林信康の「山谷ブルース」が思わず
口をついて出ちゃったりします。
「きょうの~しごとはつらかった~
あ~とはしょうちゅう~をあおるだけ~
どうせ~どうせさんやのたちんぼう~
ほ~かにするこ~とありゃしねえ~」
岡林といえば、先日NHKで36年ぶり日比谷野音
コンサートを放送していましたが、還暦を過ぎた彼の
音楽はがらりと様変わりして、往年の泥臭いメッセージ
フォークから民謡調のお囃子と掛け声を多用した
民族歌謡っぽいものになっていました。36年の長い
苦悩の末に、ようやく「フォークの神様」は、音楽による
「メッセージ性」の限界と虚しさの壁を突き破ったように
感じました。
それでも70年代は、岡林を筆頭に沢山のメッセージ
ソングが若者たちの熱狂的な支持を受けた時代でも
あります。男Nの好きな(かなりんも好きです)拓郎の
「イメージの詩」などは、そのなかでも秀逸ですね。
時代を超えて生き続けるにふさわしい名曲だと思います。
これほどに若者たちの悲惨な状況が取りざたされる
今こそ、70年を凌ぐ過激なメッセージソングが生まれて
もいいはずなのに、そんな気配はありませんね。
相変わらず愛だの恋だのの歌ばかり。
確かに下手に手を出せば、岡林のように40年近くも
苦悩することになりかねない。それによほどのセンス
がないと、「メッセージ性」というのは野暮ったくてうざい
ものになってしまいますからね。
それでも私は、たとえ野暮ったくてうざくても、果敢に
そういう音楽に挑戦する若者が出てくることを期待して
いるのです。来年の「NPOまつり」でも「虹の会」の
陽気で過激なメッセージソングが聞けることを楽しみに
したいと思います。
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