一人目の彼、I。
「知り合いの友人を、匿わなくてはいけなくなった。」
続けて「しばらく連絡できない」と言うので、
私は「大変だね、どのくらい?」と聞き返した。
Iは「わからない」と答え、私は信じて疑わなかった。
きっといつか、連絡がくるだろう。
そう思ってしばらくしていると、
風の噂でIには新たな彼ができたと。
数年後、ばったりフィットネスクラブで出会い、
どうしているのか尋ねた。
Iは「実はあのとき、好きになったヤツがいて」と、
シャーシャーと言った。
話を聞くとその人は自衛隊の幹部候補で、
カラダもよければ頭もいい。
自慢の彼みたいな話ぶりだった。
そっか、それにほだされたんだ。
しかし、安定した付き合いではないという。
その彼は見栄えが良い故に、声がかかることが非常に多く、
逆に浮気されっぱなしだと言った。
お馴染み元彼P。
「今、幡ヶ谷にいるんだけど会える?」
家でのんびりしていた私に、
このようなメールが届いた。
当時、私はそこに住んでいなければ、
勤めに行ってる場所でもなかった。
私は「え?それって何かのドラマのパクリ?」
と、なにかの冗談のつもりかと返信をした。
すると、ものの数秒でPから電話があり、
「ごめん、浮気してた。」と。
事の成り行きを聞くとどうやら浮気は本当のようで、
それを弁解するために、Pは急いで家の近くまでやってきた。
深夜のファミレスで、私は怒り心頭だった。
でも、別れるつもりはなかった。
しかし別れを言ったのは、Pのほうだった。
理由は「405と付き合う資格がない」と。
私は拒んだ。なぜ、別れるのか。
なのに、Pは「友達でいたい」と言い、
私は仕方なしにそれを認めると、
Pはここぞとばかりに、幡ヶ谷の相手ことを話し出した。
しかし、長くは続かなかったようだ。
IもPも、私の気持ちを知って、
乗り換えた相手の話をよくしたものだ。
それを聞いてる私も、これほどの偽善はなく、
屈辱よりも耐えがたい感情はなかった。
そしてこの夏前に、近所に住む人と知り合った。
地元でお茶をし、二回目に会う約束をしようとしても、
なかなか返事がない。
ようやく「一緒にトレーニングに行こう」ということになり、
約束の日を決めたのに、相手はその日、朝まで飲んでいたのだ。
私に「先に行ってて」とメールをし、ジムで会ったものの、
すぐに「具合悪いから先にあがる」と残し、
私は少し遅れてあがったが、その人はいなかった。
「どこにいるの?」とメールをすると、すでに家に帰ってしまったと。
相手は「ジムのあとのこと、ちゃんと約束すればよかったね。」
と伝えてきた。
具合が悪いのはかまわない。
しかし、「先に帰るね」の一言も言えないような相手と、
関わりたくないと思った。
年齢のせいか、はたまた恋をしすぎたか。
これ以上、ないがしろにしたくないのだ。
相手を信じる前に、自分を信じることからだ。