先週、本社への異動打診があった。
異動自体は、会社に属しているのならよくあることだろう。
しかし私の場合、現在の生活状況や自身の性格傾向、
ましてや転居を伴うのであれば、慎重にならざるを得ない。
この一週間はその対応に追われていて、
昨日正式に「辞退」を告げることで収束した。
それは同時に、今月の試用期間満了で退社する選択ともなった。
現実問題、異動の辞退を選択したのは適切であるに違いない。
試用期間の退社も、人事との掛け合いの末に、
会社側が現段階で応じれる限界であるとのことで、
これもやるだけのことはやった。
だが、今でも気持ちの面ではくすぶっている。
それは、異動の辞退や試用期間の退社よりも、
私が描いてきた理想の人生のためなら、
主張よりも会社に同調してしまう不甲斐なさだ。
名のある会社、希望の業界、障害者枠での雇用、
サラリーマンという暮らしを手に入れても、
所詮理想と現実の差は程遠い。
これほどはかなく、錯覚めいたものだったのか。
つかみたくて、得たくて、何かと努力してきたのに、
私のこころの何一つ埋めてやしない。
それを手放せばいいじゃないか。
この結末は、改めて生きるチャンスじゃないか。
そう考えつつも、なぜかじわっと泣けてくるのは、
根深い禁止令へのやりきれなさなんだろう。
かもめはかもめ。