バックの中をひっくり返しても見当たらず、もしかしたらと郵便ポスト
 を開けてみてもなくてガッカリ。
 昨日の昼下がり、自宅の鍵を開けようとして鍵が見当たらない。
 フッと玄関の靴棚に鍵が置きっ放しになっているのをチラチラと脳が
 思い出した。朝の出勤時に持って出るのを忘れた。
 年に一度位の割で家族の帰りを待ちわびる事になる。
 雨がチラつくのを最寄の駅から歩きながら急いで帰宅した。
 ベランダの洗濯物の取り入れとトイレに行きたいが為に。
 ない。ない。な~い。びえ~ん。やっぱり ない。
 ジョキングで数キロ走っても、散歩で数時間歩いても、ど~って事は
 ないのに、何故か駅まで引き返すのが悔しくてたまらない。
 しかし、駅周辺まで戻らなければトイレにも行けない。
 ブックオフで本を1冊買い、マックの片隅で息子の帰りを待つ事にした。
 食べて、飲んで、読んで・・時間が過ぎない。座り疲れた。
 その間、いろんな人の人間模様を観ながら本をチラチラ。
 そして店員の視線も気にしながら本をチラチラ。
 いや~。いつ帰るとも時間のあてが無く、一人で誰とも話さず時間を潰
 すのは結構大変!
 そんな中、向い側の席で、小さくて可愛い女の子が母親にダダを捏ねな
 がらクスンクスン泣いているのが聞こえてきた。
 様子をうかがっていると、女の子は母親に脱いだ靴を履かせてくれと目で
 訴えながら可愛い顔をクシャクシャにして足をバタつかせている。
 一方、母親は断固としてそれに応じる風では無く、仁王立ち。
 私の隣席に位置する男の子も気になるのか、私と二人で同じ方向をジッと
 眺め、事の成り行きを見ていた。歳の頃は17、8位。
 そのうち自分の気持ちが女の子に転移し始めた。
 (そんな泣きそうな顔してダダこねてもお母さんは靴をはかせてはくれな
 いよ~。早く諦めて履いちゃえば~。)とか。
 (履ける癖に履けない振りなんかしてもお母さんは知っているんだよう~)
 (アラアラ、ついに諦めて履いちゃったのね~。素直に履けば良かったのに~)
 今度は母親への転移。
 (泣いたって駄目よ。絶対手伝わないからね。)
 (ホラホラ早くしなさいよグズグズして~。)
 (ほらごらん。できたじゃないの。サッサとやればいいのに)
 最後に臨席の男の子への転移。
 (ふ~ん。僕にもあんな時が有ったよな~。)
 (僕のお母さんもあんな感じだったかな~。履かせてはくれないよね~。)
 (取りあえず女の子が泣きやんで良かった。静かになった。ホッ)
 う~ん。抑圧の感情は過去から未来へと繋がって行くようだ。
 子育ての最中には見えなかったものが、フッとした瞬間に見え隠れする。
 皮肉なもんだ。甘えさせて貰えなかったから甘えさせられなかったのよね。
 なかなか抑圧の感情は解放されないようだ。
 何やかんやと5時間居座った。過去最高マック居座り。
 息子と夕食を食べ、長~イ。いち日が終わった。
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