読めない本

もう、かれこれ2年にもなる。
何が?というと、返さなきゃ返さなきゃと思って、
早く読まなきゃ読まなきゃと思って、ついに2年。
その本の持ち主は、その本を読んだ時の感想を、感動で涙が
止らなかったり、リアルな表現にゾクゾクと鳥肌が立つと表現した。
その表現に、すぐにでも読みたくなり、その本を借りた。
そんなに凄いなら一日で読めると思った。
ところが、読んでも読んでも、同じような場面が繰り返されるだけ。
我慢して半分は読んでみた。きっと先に読み進めば、大きく場面
の展開が変わるのだろうと信じて・・。
でも我慢の限界。ついにストーンと読む気が無くなった。
2年間、1ページも先に進んでいない。
どうしても読む気が起きない。
その本の持ち主に逢う度に、早く読んで返そうと思う。
でも読めない。嫌、読みたく無い。
読まないで返そうかとも思う。
でも、それじゃ借りた意味がないし、相手に失礼だと思い直す。
読む為の時間が無い訳では無い。
読んでいる時の自分の感情の動きが嫌なのだと分かっている。
どうも、その感情に押しつぶされそうになる。
その題名と、その本の表紙がいつも頭の片隅にある。
早く読み終えれば、どうって事ないのだろうに!
集中して読めば半日で読み終えてしまう筈なのに。
最後まで読んだら、何に自分の感情が押し流されているのか分かる筈な
のに、抵抗する自分がいる。読めない、読みたく無い。
今のこの時だから、余計に自分は読みたく無いと感じる。
しかし、この本の作者は、今だからこそ読んで欲しいと思うのかも知れ
ない。
・・・・・直木賞受賞「悼む人」:天童荒太著・・・・・
読んだら何かが掴める予感はする。
しかし、その一歩が、頑なに踏み出せない。
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