やっぱり1位じゃないとダメですかね?

この1~2月はバレエファンには嬉しくも悩ましい時期です。
バレエ公演が目白押しで、手帳とお財布と相談して、劇場通い♪。
さて、そのような日々の間に、スイスで毎年行われるローザンヌ
バレエコンクールの結果が発表されました。ご存じの方も多いと
思いますが、日本から参加した菅井円加さんという方が1位を獲
得しました。新聞見てびっくりですよ、一面に写真付き!帰国の
際はまた写真付き、その後もテレビでも取り上げられるし。その
取り上げられ方の大きさ、多さにはバレエファンもびっくりです。
というか、バレエファンの方が戸惑っているのが正直なところ。
このコンクールはジュニア15~18歳が対象で、順位付けが目的
じゃない。「バレエを職業にしたい」人たちに、バレエ学校の
奨学金やバレエ団の研修生としての機会を与えるもの、という
イメージ。で、日本人の出場者はほぼ毎年、奨学金等を受けて
いるので、特別な結果には思っていない。それなのに、一般の
扱いは例年とは大違い。そこが戸惑いのもとなんですね。
やっぱり、「1位じゃないとダメ」なんですかね~。
それにして、最近の「海外で活躍する日本人」をやたら持ちあげ
たがるマスコミのバイアスは目に余ります。(1位の方の実力
を云々しているわけでは全くありませんが) だいたい、この
コンクールは、この年代のベストを決めるわけじゃない。ちゃん
とバレエ学校もバレエ団もある国に生まれて、その学校に通えて、
バレエ団にそのまま上がれるような人は出てきません。例えば、
フランス人がパリオペラ座学校に入学して、オペラ座バレエ団に
入れた、なら出場する必要はないんです。
日本のように、バレエは個人教室で習えるけれど、公立のバレエ
学校がない、バレエ団も経済基盤がしっかりしておらず、職業
として立つのが難しい、というような国の人が、留学して出来れば
欧州のバレエ団に入りたい、職業としてダンスをやりたい、と思っ
て受けているはずです。だから日本から沢山の人たちが受けるし、
アメリカ大陸やオセアニア、そして最近は中国や韓国からも多くこのコン
クールを受けています。その辺を知っているのか、わざと無視し
ているのか、マスコミにはますます疑問を感じてしまいます。

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