読書の方法というのはその人によって違うと思いますが、
私は読み返しの古い本も含めていつも6~7冊くらいを手元に
おいておき、その日その時の気分によって手にした本を
読み進めています。
今リビングのテーブルの上に置いてあるのは・・・
① 「人は無意識の世界で何をしているのか」(千葉康則著、PHP研究所)
② 「できそこないの男たち」(福岡伸一著、光文社)
③ 「なぜ仕事するの?」(松永真里著、角川文庫)
④ 「美しい日本の掲示板」(鈴木淳史著、羊泉社)
⑤ 「中村うさぎ 人生張ってます-無頼な女達と語る」(中村うさぎ著、小学館)
⑥ 「健全な肉体に狂気は宿る-生きづらさの正体」(内田樹・春日武彦著、角川書店)
⑦ 「交流分析療法」(新里里春著、チーム医療)
の7冊です。それに「社会起業家」の特集をしている「週間ダイヤモンド」、
学会から送ってきた「カウンセリング研究」などの雑誌や学会誌などが
散乱しています。
この中で①と⑦はもう何回か読み返している本、②はスイマーさんから
借りてきたもの、④~⑥は、例の会員さん(こちらを参照)が持ってきて
下さったものです。最近自分で買ったのは③だけですねえ。本を持って
きてくださる会員さんのお陰で出費が減りました。ありがたいことです。
思えばこの習慣は子ども時代からのものです。その当時は余り
本を買ってもらう余裕もなく、お金持ちの親戚の従姉の家へ行っては、
「講談社少年少女文学全集」なんかを沢山貰ってきて、ずらっと
机の上に並べては、「今日はどれを読もう」とワクワクしながら手に取って
ページを開いた、あの頃の体験がしみついているのかもしれません。
以前やはりその会員さんが持ってきてくださった本のなかに、「本は
10冊同時に読め!」というのがあって、「へ~、同じことをしている人が
いるんだ」と「我が意を得たり!」みたいな気分になりました。著者は、
元マイクロソフト社長の成毛眞氏。氏はビジネス界きっての読書家として
知られるそうですが、確かに氏の読書量というのは並じゃありませんね。
ジャンルもインドのIT産業に関するものから、外国文学、古典芸能、
写真集や料理の本までともの凄く幅広い。それにリビングだけでなく、
浴室やトイレなど家中至る所に本を置いておくと言います。出かける
ときも常に数冊は携帯するそうで、いやはや私など足元にも及ばぬ
読書ぶり。読後は「我が意を得た」なんて気分は吹き飛んじゃいました。
氏は「本を読まない人はサルである」とまで言っていますが、それ程
極端なことは思わないにせよ、「本は最後まで熟読する必要はない」
とか「読書に目的をもつな」とかの提言には賛同するところも多くあります。
確かにハウツー本やベストセラーなどは中味が薄いものが多いので、
ダーッと斜め読みすれば内容は大体つかめます。面白くないと思ったら
途中で読むのをやめてさっさと次に移ってしまうところも、「読書」を
「娯楽」だと捉えているところも似ている。「本好きで大量に読む読書家は、
うまく本を読み飛ばしている人が多いが、読書があまり好きではなく、
読むのが遅い人ほど、1冊1冊を丁寧に読む」という指摘は、なるほどと
思いました。
氏は「本嫌いな人と付き合う必要はない」とも言っています。
「会話に深みがないのですぐに分かるし、そういう人とぐだぐだ
話しても時間の無駄」と切って捨てます。まあそういうところもあるな、
とも思いますが、「人間の深み」というのは本だけでできるものでもない、
とも思います。氏の歯切れのよさは気持ちのよいところもありますが、
同時にタイトルの「読め!」という命令形が示すような押しつけがましさも
感じてしまいます。「並列読書」を愛する「同好の士」ではあっても、
そういうところが、ビジネス界で成功を収めている氏と、弱小NPOで
悪戦苦闘している私との違い、というか差なんでしょうね。
さて、そんな私の並列読書、現在の状況は⑤と⑥は面白くて
一気に読了、①と⑦は再読したいところを毎日少しずつ読んでいる
最中で、②は最初の方だけ読んで面白そうだったのだけど、
このところ気分の合う日がなくて中断しており、③と④はダーッと
斜め読みの部類、といったところです。
そういえばこの中に「小説」が一冊もないことに気づきました。
このところご無沙汰していた本屋に行って、面白そうな小説でも
何冊か仕入れてきましょうか。
↑ブログを読んだらクリックしてね!