それでもハッピーバースディー

 今日は我が家の老犬サンタの誕生日。何と17歳になりました。
人間の17歳は思春期の真っ盛りですが、犬の場合は悠に90歳を
超えていると思われます。昨今はどうも犬の寿命が延びる傾向に
あるらしく、20歳近くまで生きる例が珍しくないのだとか。環境や
ペットフードのせいらしいけど、犬も人間も高齢化社会ですね。
 若い頃はあんなにはしっこくて、どんなところにでも飛び上がり、
ゴキブリを追いかけて殺す特技まであったサンタですが、もう近頃は
めっきり足が弱り、おまけに代謝が悪くなったせいか、両足の付け根に
脂肪の塊ができてしまって、まるで砂袋をぶら下げて歩いているみたい。
そのうえ片方の瞼にも脂肪がたまり、だらんと下がってきて、丹下左膳
ばりの片目になっちゃった。若き日の凛々しいハンサム犬の面影は、
もうどこにもありません。
 脂肪の塊ができるのは昔からで、お腹にも梅干大くらいのが前から
あったのだけど、ここ一年くらいの間にあちこちに飛び火して、それが
どんどん大きくなっていく。心配した夫が獣医さんに見せて検査して
もらったのですが、内臓は特に悪いところがないということでした。
あまりにうっとおしそうなので、手術して取ることも考えたのですが、
余命もそうないのに、痛い思いをしたうえに大嫌いなエリザベスカラーを
つけさせるのも却ってかわいそうに思えてやめました。
 近頃は散歩もせず、ストーブの前で寝てばかりいます。やんちゃで
悪賢くて、人間にとっては決して御しやすいペットではなかったけれど、
まあ、飼い主に似たのかもしれません。もともと触られても余り喜ばない
子だったのですが、この頃は露骨に嫌がります。人間も犬も年をとると
気難しくなるものですね。
 人間よりもずっと寿命が短い動物を飼うと、自分の老化を早送りで
見ているような感じがします。私もこんな風に日一日と動きが鈍くなり、
気難しくなって、一日中寝てるようになるんだろうなと思います。でも
人間はなまじ「自意識」という厄介なものがあるから、自分の存在が
無為になっていくことになかなか耐えられないのですね。私も結構
じたばたするかもしれません。
 どんなに醜くなっても、どんなに動きにくくなっても、自然の命が
尽きるまでは、四の五の言わずにとにかく生きている。こういう
サンタの姿は何だか感動的でさえあります。 毎朝彼の垂れ流す
糞尿の始末にうんざりしながらも、「おゝサンタ、今日も頑張ってるね」
と声をかけてやるのが、このところの日課になっています。
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