「制服」今昔

 ドーナツカフェの開店が決まり、準備に拍車が
かかってきました。関係諸機関への許認可申請
やら、備品の整備やら、メニューの開発やら、
やらなければならないことが山積み。店で着用する
制服の選定もその一つです。
 事務局のnekoちゃんが、方々へカタログを請求して
分厚いのが何冊も届いたのですが、どうももうひとつ
ピタッとくるのが見当たらない。そこでネットでも見て
みようと「制服」と入れて検索したら、いくつ目かに
「YouTube-制服」というのがあって、思わずクリック
してみるとスゴイ懐かしい歌が耳に入ってきました。
 
 それは、ずっと昔によく聞いたことのある吉田拓郎の
「制服」という歌でした。ハーモニカの前奏と拓郎独特の
節回し、若い頃には顕著だったそのだみ声も健在です。
 「ラッシュ・アワーが 疲れを吐き出してる
  人の多さまでが ものめずらしげに見えて
  東京駅地下街の人ごみの中 Ah
  ひと群れの制服の娘たちがいる」

というフレーズで始まるこの歌、作詞は「襟裳岬」の
岡本おさみです。
 「真新しいスーツケースを提げて
  集団就職で今着いたらしい
  妙に腰の低い男が先頭に立って
  何とか会社の旗など振りまわしている」

 今はもう全く見られなくなってしまった「集団就職」。
地方の貧しい農村などから、中学を卒業したばかりの
少年少女たちが、都会の工場で働くために集団で
やってくる。73年の拓郎のアルバムに収められている
ということですが、そういえば60年代は「上野駅」でした
ものね。
 「家を出る前の晩は 赤飯など食べて
  家族揃って泣き笑いしたのかい
  里心だけは まだ田舎の家に置き
  それでも家を出てくる魅力に負けて」

 
 当時は彼らを「金の卵」などとおだてあげて、
底辺労働を担わせるシステムがつくられていたのですね。
高度成長期の日本は彼らの労働力なくしてはやって
いけなかった。貧しい農村の暮らししか知らぬ彼らの
都会への憧れを上手く利用したやり口です。何だか
今の「派遣労働」に通ずるものを感じますね。
 「これから君は日曜日だけを待つんだね
  悲しみの唄がなぜ街に流れるかも判ってきて
  使うのに容易く 稼ぐのに辛い Ah
  そんな給料の苦さも知ってしまうんだろうね」

 くしくもCSNの前身である「サンプラザ相談センター」は、
そうした集団就職で都会に出てきた働く少年少女たちの
生活を支えるために40年近くも前に設立されたものです。
開設に携わった木村周先生のお話では、地方の特産品を
置いたり、新聞を全て揃えるなどして、少しでも彼らの
都会生活に潤いをもたらそうとスタッフは一生懸命智恵を
絞ったのだそうです。
 「今度きみが故郷に帰ってゆくまでには
  親に語れない秘密のひとつやふたつは
  できてしまって嘘もついてしまうんだね。Ah
  騙された男のことはきっと話さないだろうね」
 
 集団就職の光景は見かけることはなくなっても、
真っ黒なリクルートスーツに身を包んであちこちの
会社を駆け回る女子大生たちに、この「集団就職」
の少女たちと同じような悲哀を感じてしまいます。
あれはまぎれもない「制服」ですものね。
そして彼女たちの多くはきっと地方から出てきていて、
何とか都会で働いて生きていこうと懸命なんですね。
 さて、そんなこんなで「制服」を探すのが何だか
嫌になって検索をやめてしまいました。我がドーナツ
カフェにはきれいな色のエプロンと帽子だけを採用
することになりそうです。
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