この街の谷底の根雪は溶かせるのか?

 昨日は渋谷の初台青年館で開かれた福祉セミナーに出席した。
「自立支援協議会ってなんだろう?~どう変える渋谷の福祉~」
というタイトルで、ぱれっとの谷口奈保子氏などの呼びかけによって
つくられた‘渋谷の福祉を考える有志の会’の主催である。
 会場に入るとぱれっとの職員さん方が総出で準備にあたっていて、
懐かしい顔に出会い言葉を交わす。開場の午前10時には100席近く
並べられた椅子がほぼ満杯。盛況である。
 タイトルにある「自立支援協議会」とは、障害者が地域で自立して
生活するための支援を目的に、関係者間の情報共有や活動の連携を図る
ために設置されるもので、平成17年の自立支援法において改めて
法定化されたものである。しかし遅々として設置が進まぬ現状に業を
煮やした厚労省は、平成24年3月にこれに関する通達を出した。
その前文には次のように書かれている。
 「今般の自立支援協議会の法定化を踏まえ、自立支援協議会の設置運営に
ついて、別添のとおり通知するので、これを参考に自立支援協議会の運営の
活性化に取り組まれるとともに、都道府県に置かれては、管内市町村、
関係機関などに対する周知及び管内市町村に対する自立支援協議会の設置の
促進や運営の活性化に向けた助言など、特段のご配慮をお願いする。」
 このように「特段のご配慮」をお願いされても、ナントカ協議会とか、
ナントカ福祉計画とかの類は法律で義務化されていなければおいそれとは
実現されない。自立支援協議会についても「地方公共団体は、単独で又は
共同して障害者等への支援体制の整備を図るため、関係機関等により構成
される自立支援協議会を置くことができる」となっている。「置かなければ
ならない」ではないのである。だからいくら「置くことができ」ても
すぐに「じゃあ置きましょ」とはならないのである。
(義務かそうじゃないかは、社福の試験でよく出ていたが、こういうので
義務化されているのは数少ないのである。)
 そこで渋谷区は何年間も設置を引き伸ばし、とうとう東京都でビリから
2番目くらいになってしまったらしいのである。「それじゃあんまりだ」
となった福祉関係者たちが一念発起で今般件の「自立支援協議会」を
立ち上げようということになったらしいのである。それでまずは
セミナーを開催して皆に「自立支援協議会」なるものを知ってもらおう
ということになったらしいのである。
 中心メンバーの大学教授やグループホームの施設長、作業所の所長さん方が
パネラーとなり、協議会の説明や渋谷の福祉の現状などの話が進められたのだが、
聞くだに渋谷の福祉の状況は厳しいみたいだ。大体受け皿になる障害者事業所の
数が少なく、人口21万人強の区だというのに現在の在籍人数が全施設合わせて
239名、今後の受け入れ可能人数は30名余りとごく僅かで、それも来年度には
もう一杯になってしまうのだとか。
 就労支援施設に関しては、移行支援が2施設、継続B型が9施設、継続A型は
0である。移行支援は2年の支援期限が壁となりかなりの苦戦といい、継続B型も
高額な家賃に苦しみ、作業スペースの確保もままならないところが多いとのこと。
自立支援法施行で区外からの利用も可能となったため、便利な渋谷の事業所には
申し込みや問い合わせも多いらしいが、とても応えられないのが現状だ。
 会場には当事者やその家族の方も多く詰めかけていて、特にこれから
施設を利用したい若年層の保護者からは、「こんなに一生懸命活動しているのに
将来渋谷の施設を利用できないんでしょうか?」という切実な声が上がっていた。
渋谷の行政は何故か民間との連携を好まず、NPOの受託事業も少ない。
「自立支援協議会」の中心とされる相談支援事業も社会福祉協議会の直営である。
今後どんな展開になっていくのかは未知数だが、CSNとしてもどのような
参入の仕方をしていくのか考えどころである。
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