一年には終わりの区切りが2度ある。
12月31日の大晦日と3月31日の年度末だ。
そして今年もその年度末を迎えんとしている。
NPOを設立してから10回目の年度末である。
1回目の年度末は、まだ法人認証が済んでおらず、
書類の山と格闘していた。2回目は麻布から引越したばかりの
恵比寿で年度末を迎え、認証取得後初の総会を開催したっけ。
慣れない決算に四苦八苦の数か月だった。
3回目以降も年度末を迎える度、「決算」の2文字が
頭内を飛び交い、総会開催と東京都への決算書類提出に向け、
6月までは怒涛の日々。毎年変わりばえのしない赤字続きの
収支の数字に打ちのめされ、来年度こそは何とかしなきゃ!
と奮い立つのもいつのまにか年中行事。
10回の決算を繰り返す間には、それこそ様々な出来事があり、
様々な出会いがあった。思い出すだに嫌なこと、心弾むような
楽しいこと、投げ出したくなるような苦しいこと、じんわりと
心にしみるような嬉しいことなどが交代でやって来ては去っていく。
その中で「とにかく続けていくこと」、それだけを念じて来た。
決算も10回も繰り返せば、もう殊更悲嘆に暮れることも、
必要以上に気負うこともない。
今年度の決算は、「今年は余り大変にならないように
早めに手をつけましょう」というnekoちゃんの言葉に従って、
今年度の大まかな収支をざっと掴むくらいのところまで
進んでいる。まあ、数字そのものは相変わらず低迷しているが、
中身は随分変わってきたと思う。NPOの決算書類の一つには
「事業報告書」というのがあり、それを年代順に並べてみると
変遷が分かる仕組みになっている。
平成16年度から開始した「個人カウンセリング」。そして
平成17年度から現在までずっと続いている「交流分析学習講座」。
平行して行っていた「キャリアサポーター養成講座」では、
GATB(一般職業能力適性検査)のテスター&フィードバッカーを
輩出して能力検査の要請に応えた。また、カウンセリングルームの
レンタルは平成18年度から始めて、現在は利用者数も増えている。
行政機関や福祉機関への講師派遣による実績も重ね、個別の状況に
応じた「パーソナルサポートグループ」も開催。その他に様々な
イベントへの参加、「CSNニュース」の作成、エンカウンター
グループもやったし、フリマまでやった。こうしてみると本当に
いろんなことをやってきたもんだね。
定款に「雇用創出事業」を追加申請したのが22年度。
焼きドーナツ店の「縁」を開店したが、23年度にスタッフ不足や
地震の影響など諸々の事情で閉店。この事業が今後どのような形で
再開されるかは未だ定かではない。しかしこれまでの報告書を
眺めていると、CSNという活動体が畢竟目指すべくは、「雇用創出」
というより「一人ひとりの生き方の創造」なのではないかという
気がしてくる。もとより「雇用」というのは人生の一断面に過ぎず、
全てはその人の「生き方」に集約される。これまでのCSNの活動の
軌跡がはからずもそれを物語っているようだ。
明後日から新たな年度が幕を開ける。
急激な時代の変化に個人の生き方が翻弄される度合いは、
更に激しさを増すだろう。「一人ひとりの生き方の土台づくり」
により一層専念するとともに、「CSNの土台づくり」もまた
来年度の大きな課題である。11回目の決算では、多少なりとも
変わりばえのする数字を見たいものだ。
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