何をどうしてどうするのか? 「困窮者自立支援法」

 「困窮者自立支援法」なる法律が平成27年度
から施行されるという。
平成24年に成立した社会保障制度改革推進法
からの流れで、生活保護制度に過度に依存している
社会保障制度を見直そうという動きが強まり、
厚労省の社会保障審議会「生活困窮者の生活支援の
在り方に関する特別部会」が立ち上がって今年の
1月に報告書が出ている。それを読んでみると
生活保護法改正に関してはほゞ審議会の意見通りと
なったようだ。そして生活保護受給者も含めた
幅広い「生活困窮者」の支援体制を作ろうということで、
「第2のセーフティー・ネット」と銘打ち、この法律が
できることになったのである…
 こんな風におさらいをしていると、社会福祉士の
試験勉強みたいだが、私たちNPOの活動にとっても
非常に関連の深いところが感じられ、今日はこの法律に
関する「勉強会」に行ってきたのである。主催したのは
某社会福祉士さんの事務所で、出席者は予想より遥かに
少なく、福祉関係者の関心の低さを窺わせる。
それでも名刺交換をしていろいろ話もでき、それなりに
得るところは大いにあった。
 配布された資料の「特別部会委員名簿」のなかに
以前福生の「引きこもり支援塾」でお会いした
谷口仁史氏の名前を見つけて「やはりそうか」の
思いを強めた。氏は「引きこもり支援」には非常な
熱意と実績のある若い支援者で、福生の「青少年
自立支援センター」の工藤理事長が将来を嘱望して、
既にその当時から政府系の審議会に送り込んでいた。
「困窮者」の視野の一角には「引きこもり」があり、
背景に「引きこもりの高齢化」があることはほゞ
間違いないだろう。
 審議会にはニートの研究で有名な小杉玲礼子氏や、
「さわやか福祉財団」の堀田力氏なども名を連ねていて、
なかなかの有志揃いである。しかし報告書に書かれて
いることはかなり抽象的で、具体的な事業の全貌は
見えづらい。支援対象が「困窮者」という漠然とした
言い方なので、これまでよりも多様なケースを想定
せねばならず、その全てに十分な支援を行き渡らせる
ことは至難の技だと思えてしまう。支援方法の一つに
「アウトリーチ」が挙げられているが、この難しい
方法を誰が研修しどう実行しようというのか、何とも
道筋が見えてこないのである。
 今日は長年労働者協同組合を運営している
NPO法人「ワーカーズコープ」の担当支援員さんから
その活動についての話があった。障害者支援では
なじみ深い中間就労的な支援を念頭に、この事業への
参入を考えておられるらしい。私たちのとっかかりも
その辺りにあるのかもしれない。審議会の答申は
理念と理想に満ちていても、いざ実際の支援が始まれば
行政は「目に見える成果」を求める。そうした意味でも
歴史のある「障害者支援」にそのモデルを求めるのも
一法だろう。
 私たちも今年の12月にとりあえずこの法律を含めた
就労についての勉強会を企画している。
何はともあれ、必要なのは人材である。
どんなに効率的な制度やシステムができようと、
「支援は人」という原点はいつの世も不変だ。
法の施行までに良い出会いがあることを願っている。
 
※8月から「かなりんブログ」は
Facebookの「キャリア・サポート・ネットワーク」のページ
にもアップしています。
皆さん、「いいね!」をよろしく!

 
blogranking.gif
ブログランキング・にほんブログ村へ
↑ブログを読んだらクリックしてね!

カテゴリー

投稿の月