95歳の伯母に会いに行く

 ここのところ連日春らしい日が続いている。
日曜日にTA講座の初回を無事終え、ちょっとほっと
したところで、今日は夫と午後から散歩に出た。
ガーデンプレイス前のイタリアンでランチをして、
それから近くの伯母の家に寄ってみる。
 彼女は今年95歳、4年前に96歳で伯父を
亡くしてから一人暮らしである。実子はいないが、
私のような姪や甥は沢山いて、特に両親を早くに
亡くした従弟が一家で親身に面倒をみてくれている。
 伯母のことは随分このブログにも書いた。
http://npocsn.seesaa.net/article/133732502.html
http://npocsn.seesaa.net/article/169094756.html
http://npocsn.seesaa.net/article/206397257.html
http://npocsn.seesaa.net/article/217399559.html
上記をざっと読んで頂けばある程度の事情は分かると
思うが、まあ並みの95歳ではない。96歳で自分の
喪中ハガキまで作成して逝った伯父もさることながら、
その伯父を今でも手放しで「愛してる」と大のろける
伯母もなかなかのものである。
 伯母のところに行くとお喋りに花が咲く。
伯母の話すエピソードはいつも何気に愉快なのだ。
今日聞いたうちの一つは、何と「おれおれ詐欺」に
遭いかけた話。電話の声が「訪問マッサージの先生と
そっくり!」だったんだって。
 すっかり先生だと思い込んだ伯母、訪問予定
変更の知らせだと思って一生懸命問いただすが
いかんせん耳が遠い。相手が何を言っているのか
よくわからない。お互いにワーワー言ってたら、
相手の「お金貸して」という言葉が飛び込んできた。
「いくら?」と訊いたら「100万」。「今三越に
いるから持ってきて」と相手が言ったところで
「こりゃ先生じゃない」と分かった。
 でもこれが数万円なら持って行っちゃったかも、
と伯母は言い、ほんとに思い込みってこわいわあ、と
言いつつさほどこわそうでもなく、でもね、途中で
詐欺だって分かってからはちょっと楽しくなっちゃった、
などと何ともノーテンキにのたまってる。いやはや。
 もう一つ面白かったのが、「海峡しぐれ」という
演歌の話。「知ってる?」と聞くので「誰の歌?」と
いう私の問いに伯母答えて曰く、誰か昔の歌手が歌った
のを、この間なんとかいう今の歌手が歌ってたの。
それじゃ誰だかてんで分からない。
で、その「海峡しぐれ」がどうかしたの?と私。
 伯母が言うには、その歌は夫に先立たれた妻の歌で、
1番の歌詞では、「生まれ変わったらもう一度夫婦に
なろう」という夫の思いが重荷になっていて、2番で
「もうそんな思いから解き放たれて自由に生きよう!」
と歌ってるんだそうな。え?演歌でしょ?
それってまるで60年代のフォークみたいじゃん。
 その後が傑作で、伯母は生前から常々伯父に
「生まれ変わっても夫婦になろうね」と言っていて、
今もその思いは変わらないが、もしかしたら伯父は
あの世でそれが重荷になってるんじゃなかろうか・・
と歌を聴いた後悩んでしまった、というのである。
 そこで早速伯父に尋ねてみたのだそうである。
「生まれ変わっても私と結婚する?」
伯父は2回目までは「うん」と言ったけど、3回目に
尋ねたときはちょっと嫌な顔をした(ホントか?!)
んだそうである。
 「やっぱり重荷なのかなと感じちゃった」伯母は、
「もしかしてあっちで好きな人ができたりしてたら、
その人と結婚してもいいよ、って言ってあげた」のだ
そうである。「だって縛り付けておくのはよくない
でしょ?」真剣な顔で伯母は言い、私たちはそれが
何ともおかしくて笑い転げたのである。
 そんなこんなでかれこれ2時間。
95歳の伯母は、まだまだ人に分け与えるほどに
元気である。
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