今日日本カウンセリング学会の認定カウンセラー会からニュースレターが届き、ページを繰っていたら、思いがけない懐かしい顔を見つけました。以前サンプラザ相談センターで一緒に働いていたIカウンセラーです。彼女がこの会誌に「カウンセリング学習11年目にして-このごろ思うこと-」と題したエッセイを寄稿していたのです。
彼女とは同じ機関でカウンセリングを勉強し、閉鎖前のサンプラではグループファシリテーションのコンビを組んでいました。エレガントな外見には似合わない激しさを持った個性の強い人でしたが、カウンセリングに対するひたむきな姿勢と独特の鋭い感性にはいつも感服させられました。一緒にファシリをしたエンカウンターグループやTAのグループでは、数々の逸話が生まれ、今でもその頃のメンバーが集まると話題に上ります。
サンプラザが閉鎖になってからはお互いに忙しく、余り連絡を取り合うこともなくなってしまい、このところは随分久しく会っていません。「どうしているかな」と思いつつ、とりたてて用事がないとつい電話もしそびれていたのが、こんな風にカウンセリング誌で遭遇できるなんて全く嬉しい限りです。「あゝ、元気でやってるんだな」とまるで戦友が凱旋したのを迎えたような気分になりました。
彼女は誌面で昨今の心境をこんな風に語っています。「はじめのころは、見立てとか治療方針とか難しい言葉を引っさげて、クライエントとかなり離れて前を歩いたり、大変遅れて後をついていったりしてたものですが、徐々にその時々のほどよい距離でクライエントと出会うことができるようになってきた気がします。ある時は少し後ろを、ある時は一緒に立ち止まり、ある時は肩を並べて。」そして「この“肩を並べて”という」感覚を持つようになり、カウンセリングの世界が広がりました。それは交流分析(TA)の学習によってもたらされたといえます。」と述べています。
「TAと出会い、私の肩の力がふっとぬけました」と彼女は続けています。「TAの学習で、クライエントの前で自己一致していること、真実であることを私の持っているチャンネルで機能させればいいのだと実感しました。」これを彼女は「(自分自身に対するOK感が)頭だけでなく身体の中にしみこんできた感じ」と表現し、「クライエントの前で、自己一致して真実であることを楽しめるようになってきたのです。」と書いています。
今は「私自身が柔軟であり、リラックスしています。」と言う彼女は、ともするとピンと張りつめて人を弾くようなところを垣間見せたあの頃の雰囲気からまた一皮脱して成長を遂げているようです。彼女は「日々追われながら、楽しく仕事をしています。」という一文で短いエッセイを結んでいますが、「あゝ、私もそうよ!」と思わず写真に向かって声を出してしまいました。
実は余りの懐かしさにたった今彼女に電話をしたところです。彼女の第一声は「キャア~ッ、生きてた?!」でした。こういうところは変わっていませんねえ。大体「エ~ッ、ニュースレター??」と自分が原稿を書いたことさえ忘れているのも彼女らしいです。もちろん再会を約束しました。超楽しみ~!こうなったら「彼女のドタキャン癖だけはいまだ健在」なんてことのないように願うのみです。
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