「場」としてのCSN

 突然ですが昨日事務所の換気扇を掃除しました。台所についているやつです。CSNの台所で料理をするということは滅多にないので、それほど汚れないだろうと多寡をくくっていたのですが、この下が喫煙場になっているせいもあるのか、最近は羽の部分に分厚くたまっている埃がやけに目立ってきて気になっていました。
 取り外してみると羽部だけでなく周囲も結構ひどいことになっていて、ゆうに1時間も格闘するはめになってしまいました。しかし思えばここに事務所を移転してから早や2年と数ヶ月。その間1度も掃除していなかったのですから、このくらいの埃がたまっても不思議はないなぁ、と妙に納得。換気扇にたまった埃に改めて経過した月日を認識させられました。
 CSNを設立したのは、サンプラザ相談センターが閉鎖した2003年の年末ですから、それから数えればもうかれこれ3年半になります。その間には事務所の移転をはじめ、本当に色々なことがありました。何よりもサンプラザの活動を継承すること、特にカウンセリングとグループワークを何としても続けたい、というのが立ち上げたときの思いでした。とはいえどこからも資金がでるわけではありませんから、カウンセリングもグループワークも有料にせざるを得ず、なれない運営に音を上げかけたこともあります。
 サンプラザは国の予算で運営する無料の施設でしたから、若者を主な対象としていたとはいえ、年齢も境遇も様々な人たちが来談し、一種独特な場になっていました。盛んに行われていたグループワークから生まれる数々のネットワークは、コミュニケーションが苦手で孤立しがちな若者たちにとって、人とのつながりを実感できる貴重な場となっていたと思います。
 「場」というのは本当に不思議な力を持っています。そこでは人と人がその存在に根ざした深い何かを共有することが可能であり、相互作用によるダイナミクスが創生されます。それが他者とのつながりや自己への気づきを促す大きな力となるのです。
 但しそれは、その「場」の特質によります。職場、酒場、広場、たまり場など私たちの周りには様々な「場」がありますが、そのなかで本当に生身の自分がリラックスして飾らずに他者と交流できる場というのはなかなかありません。CSNを、単にカウンセリングを受けるだけでなく、そういう「場」としても機能させたい、というのは立ち上げたときからの願いでした。
 3年半という時を経て、ここではサンプラザとはまた違った、というか、より濃密な「場」が出来つつあるのを感じます。先日の405さんのブログ(こちら)にあったことも、もちろん本人の力によるものですが、その力を引き出すのに、CSNという「場」が大きく関与していると思います。そしてそこまでこのCSNという「場」が成熟してきたのだなぁ、と感慨深いものがあります。
 しかし「場」の成熟と換気扇の埃は比例してほしくはありませんね。今度からは数ヶ月に一度はこまめに掃除するようにしよう、と健気にも決意を新たにしたかなりんでした。
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