まっくろくろすけ

私の日常は仕事でまっくろ。
この「まっくろ」という言葉は以前、カウンセリングの中で出てきたもの。
私は今までずーっと人生を仕事でまっくろに塗りつぶしてきた。
生きることを楽しむ、というよりも、仕事だけが私の人生で、それに
自分を傾注することが私の生き方だった。
だから、私の人生はまっくろくろすけ。
今日一日、ずーっと心に引っかかっていたことがある。
それは昨日のCSNでのやりとり。
「私の勤めている会社は一流ではない」と言ったことに対して
皆にびっくりされた。
「そんなこと言うのは嫌味だ」と言われた。
こんなこと書くと、ますます反感を買うかもしれないけど、本当に
一度も一流だなんて思ったことがない。
「こんな会社」とずーっと思ってきた。
私が入社した時から、業績不振で、新入社員の頃からビクビクして
過ごしてきた。
「いつ潰れてもおかしくない。きっと2~3年以内に潰れるから、
 その前に転職しなきゃ」と思ってた。
でも気付いたら、10年近くもずるずると勤めている。
その間、会社はずっと不安定な状態。
朝起きたら新聞に「倒産」って載ってるんじゃないかとずーっと
心配してきた。
世の中からパッシングされ、ゾンビ企業だと言われた。
会社では業績不振の責任を取って、次々にトップが代わり、大規模な
リストラが何度も行われ、給料はカットされ、休みは減り続けた。
皆が疲弊している。
そして皆、会社を去っていく。
新入社員として配属されたお店での初日、先輩社員とご飯を食べた
時、「何でこんな会社に来たん?」と言われた。
そのお店で働いていた2~3歳年上の女性の先輩は、「初対面の人に
○○で働いてるって恥ずかしくて言えない」と言って辞めていった。
私自身も「どこに勤めているの?」と聞かれても言えなかった。
「会社=私」ではないのに、恥ずかしい恥ずかしいと思ってきた。
でも、心の中で「私はこんなところで働くような人間じゃない」と
いうような変なエリート意識があったのも事実。
「自分はこんなもんじゃない。もっとやれる」と思っていたかった。
そう思わないと、自分を支えられなかった。
私は「一般的に評価されているもの」に自分の身を置くことだけを
生きがいにしてきたから。
だから「評価されないもの」に身を置くことが耐えられなかった。
その傾向が強まったのは中学生の頃。
中学に入ると、いろいろな小学校から来た人が沢山いて、私はうまく
馴染めなかった。
人とうまく関われなかった。
私の通っていた中学は、いわゆる「ガラが悪い」ことで有名で、私は そんな人達を毛嫌いしていた。
その中で唯一自分を保っていられるのが「勉強」だった。
「私は頭がいいのよ。あんたたちとは違うのよ」と思うことで自分を
支えていた。
「私はいっぱい勉強して、いっぱいお金を稼いで、すごい人になって
 やる」 そう思って自分を励ましていた。
当然周りから好かれる人ではなかった。
3年生になったある日、全体朝礼で体育館に集まっていた時、別の
クラスの男の子が私のことを指さして「あいつ、ブスくねー?」と
笑いながら周りの友達に話しかけていた。
私はものすごく傷ついた。
それからも何度となく、その子は私のことをバカにした。
私はその子のことが、ものすごく嫌いだった。
嫌いというより憎かった。
憎くて憎くて仕方なくて、「あんたなんかいなくなればいい」と
思った。
存在を消してしまいたくて、頭の中で何度もその子のことを殺した。
今、その子に会ったとしたら「あの時、殺したいほど嫌いだった」と
言って傷つけたい衝動に駆られる。
そんなことがあって、なおさら私は勉強にのめり込むようになった。
「もっといっぱい勉強して、あんたたちなんか絶対行けないところに
行ってやる。
そして思いっきり見下してやる」と思った。
今思えば、勉強が私の魔法だった。
勉強することで、苦しみのない世界へ行けると本気で信じていた。
実際、高校に行くと、傷つくことを言う人もなく、中学よりもはるか
に居心地が良かった。
ますます勉強神話は強固になった。
ただ、それが通じなかったのが就職だった。
何社受けても何社受けても、すべて落ちた。
100社近く受けたんじゃないかと思う。
でも、そんなこと恥ずかしくて、友達にも誰にも言えなかった。
しかも、なぜ落ちるのか分からなかった。
自分では、そんな変なこと言っていないつもりだし、うまく受け答え
出来ているつもりだった。
それでパニックになった。
「何で何で?」という思いがぐるぐる回った。
そんな時に受けたのが今の会社。
当時、かなり業績は悪化していて、いつ潰れてもおかしくないと
言われていた。
私は受けながらも「けっ、誰が行くか、こんな会社」と思っていた。
内定をもらった時も、「他社では散々落ちてる私をすんなり合格させ
るなんて。だから、この会社はダメなんだ」と思った。
結局、今の会社ともう一社しか受からず、「経営が危ないとは言え、
一応 上場している会社だから」という母の説得もあり、今の会社に
決めた。
(この母の説得というのもクセモノだけど・・・)
今までのそんな思いをこめて私は自分の会社を「こんな会社」と
値引きして いる。
そして私の中には、人をばかにする傾向のある私もいる。
人を傷つけてしまいたいと思う私もいる。
私の中には、まだまだ、いろいろなものが押さえつけられている。
話は飛ぶけど、ともかく何はともあれ、私は仕事をはやく切り上げ
て、帰る!!
mocoちゃんじゃないけど、「早く帰る早く帰る」と呪文のように唱え
て、心に固く誓おう。
自分自身と、そして自分のACと闘う。

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