先ごろ、東京大学が今後5年を目途に、
入学時期を現行の春から秋へと移行すると発表された。
大学側は、国際競争に打ち勝つためには、
アジアの研究拠点としてブランド力を高める重要性があり、
そのためにはアジアの優秀な人材を確保するのが目的だそうだ。
私は大学の運営がどうこうより、
東大の秋入学導入決定が、日本の各大学から小中高までも東大に合わせるようになって、
元来の春入学という慣習が消えてしまうことが、
これから先どうなるのか気になったんです。
と言うのも、秋入学が進めば現段階では小中高まで及んでいないけど、
いつしか日本の教育機関の卒業シーズンが春ではなくなり、
そうなるとこれまで春になぞらえてきた卒業ソングが、
合わなくなるんじゃないのかと、いらぬことを想像してしまったからです。
卒業ソングで思いつくのは、「なごり雪」「春なのに」色々な人に歌われた「卒業」。
最近のランキングでは「3月9日」「さくら(独唱)」も該当するらしいです。
季節は春、卒業や旅立ちをテーマにした歌は、
それぞれの人達が歌を耳にした場面で、そのイメージは決まっていくのでしょう。
「春なのに、お別れですか」
「今、春が来て君はきれいになった」
これがもし10月入学に合わせて9月卒業なら、
残暑で夏バテ気味の頃に卒業式があり、「お別れです、さみしいわ」
だなんて言える状況だろうか。
ただ、うっとうしいように思えるし、ましてや「春」じゃないしと揶揄されたら、
卒業ソングのイメージも様変わりです。
春に卒業という儀式が根付いたために、それに合わせて作られたかもしれない歌は、
もしかしたら変わっていくのかもしれません。
そもそも「卒業ソング」という決め方もユニークですよね。
一般的に「新たな旅立ち」とか「将来の希望」を大事にしましょうとはやし立てる割に、
「入学ソング」というのは聞いたためしがありません。
「学校だわ~ あぁ、早起きはイヤイヤん ベイベ~」←思いつき
こんなカテゴリーの歌があったら、面白いですよ。きっと、たぶん。。
別れとか思い出とかを懐かしむような「卒業ソング」が流行るのは、
日本特有なものでしょうか。
一般の私には「歌い継がれてきたもの」も文化と呼べるなら、
「卒業ソングは春がいい」と粘れるくらいの日本の慣習が残ってもよさそうなのに、
結局は大学までも欧米化になり、いつしか「残暑は卒業の季節」が蔓延していくのでしょう。