8月になり、
今年の猛暑はこれからが本番といった予報が出ている。
朝から汗だくで、
最寄り駅に着いただけで、すでにヘロヘロ気味だ。
満員の地下鉄に乗り、
半分もうろうとしながら十数分経つと、四ッ谷駅に着く。
私が利用している地下鉄丸ノ内線は、
地下鉄なのに地上を走る箇所が多い。
丸ノ内線の四ッ谷駅は、正確には高架駅だが、
地上の空気に触れられる駅のひとつだ。
今日もいつものように四ッ谷に着き、ドアが開いた。
ぼんやりしながらふと空を眺めたら、
なんとなく空が違った気がした。
空全体がいくぶん高くなって、
漂う空気は7月のざわついた暑さとは違う、
どこか静寂を含む暑さなのだ。
たぶん、終戦を連想するイメージなんだろう。
今まで夏の盛りは8月と思っていたけど、
もしかしたら7月のほうが夏っぽいように思う。
8月も盆を過ぎると少しずつ秋めいてきて、
暑いには変わりないが、来月になれば、
空や空気が入れ替わりはじめる。
暑いながらも、季節はうつろっている。
通所をはじめた頃は桜が満開で、
それを見ては入学生のような不安を胸にしていた。
今はまだ涼しさとは縁遠いが、近づく秋を感じる季節になり、
ようやく一息つける思いだ。
朝からしみじみできる四ッ谷駅からの景色は、
「今日もがんばろう」という気にさせてくれ、
一瞬だが季節を体感できる場所だ。