東横線渋谷駅よ!

3月16日、東急東横線は渋谷駅~代官山駅間の地下化に伴い、
現地上の渋谷駅での営業が明日15日の最終電車をもって終了となります。
昨年の夏頃に具体的な地下化日程がわかり、
たまたまCSNのワークでその話題に触れることもあり、
私は残りわずかな東横線渋谷駅へ出向きました。
沿線住民ではない私にとって、
特別な用事や仕事のときに利用してきたこの渋谷駅には、
数々の思い出があります。
幼い頃、父方の叔母夫婦が住んでいた元住吉へ泊まりに行ったり、
その当時まだ遊園地があった多摩川園へ遊びに行ったり、
叔母夫婦が横浜へ転居すると菊名まで乗るようになった。
自我に目覚めるとデートで自由が丘や横浜へ行ったり、
待ち合わせに学芸大学駅ホームを使ったりもした。
直近では、CSNの事業だったドーナツ店「縁」があった白楽へ、
数ヶ月間通ったりもしました。
その目的地の起点がこの渋谷駅で、
改札を通過した分だけの楽しかった、苦しかった、うれしかった思い出が、
詰まっているような感じがするのです。
東横線渋谷駅は、正面改札口から一度に4列車見渡せる構造です。
先頭車両は改札に向けて停車するので、まるで出迎えてくれてるように見え、
「お出かけする」というちょっとした旅情感があります。
ほかにも似たような構造の駅はありますが、東横線渋谷駅には圧迫感がありません。
それは複数のドーム状の高い屋根と、ホームから外へ吹き抜ける空間があり、
これが数あるターミナル駅の中でも特徴的で、垢抜けた印象を与えてくれるのです。
沿線住民なら、見慣れた駅と思うのかもしれません。
でも私には時々東横線沿線へ出かけ、渋谷駅を利用することが多かったことや、
渋谷駅独特の雰囲気に魅了されているからこそ思い入れるのです。
そしてこの光景が二度と見られないとなると、
思い出がプツリと切れてしまうような気さえするのです。
そんな名残惜しさから渋谷駅の様子を見てきたのですが、
ネットのニュースでも取り上げられていたとおり、
駅構内のあちこちで携帯やデジカメで最後の様子を収める人が多くいました。
ホームの垂れ幕には「85年間ありがとう」と、
まるで有名人の引退コンサートか試合のような雰囲気さえ感じられます。
それは東急ブランドの功績もさることながら、
それだけのファンがいて、積み重ねてきた年数分の風格です。
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地上駅はしばらくはイベントスペースとして残すものの、
数年後には取り壊されて再開発されるそうです。
その完成予想図は、東横線跡地に新たに高層ビルを立て、
さらには渋谷に乗り入れてる各路線の移設などをし、
渋谷駅周辺の狭い窪地を有効利用する計画だそうだ。
どう見ても狭い空間に高層ビルだらけで、圧迫感がありそうです。
今の渋谷駅の構造は継ぎ足し増築をしてきたため、
バリアフリーの観点からも確かに使いにくさは否めない。
新しい東横線の渋谷駅は地下5階に移るが、
地下から地上への移動は、地上での移動よりも困難ではないだろうか。
それだけでなくやはり建造物としての価値や、
地下化は本当に必要なのかと地上駅廃止について論議が交わされているようだが、
もう変わることはないですね。
あるもので改善するとか維持していこうというより、
新たに造ってしまってから考えるのは、あらゆることで日本式なんだと。
こうして思い出も変わってゆくのかな。
ラストランの渋谷駅は、多くのファンで賑わうだろう。
Shibuya130313-2.jpg
(副都心 夕日を浴びて カンチ坂)
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