うだるような暑さの中、
いつものクリニックへ向かう途中で、
ツバメの巣を見つけた。
とても懐かしい気分になりしばし足を止めたのですが、
巣にはヒナも親鳥も居る気配がなかった。
ツバメの生態を調べてみると、
梅雨の季節は巣作りにあたり、その後産卵、孵化を経て、
ちょうど今頃はヒナ達が巣立っていく時期だそうです。
小ぢんまりとした巣で数羽のヒナがカラダを寄せ合い、
親鳥が餌を運んでくるのを心待ちにし、
親鳥が戻ってくると一斉に口をあけて餌をねだる姿はとても愛らしく、
一目見れたらなと思いました。
でも数ヶ月前からこの巣はあったはずだから、
私はそこにツバメの巣があることに気づかずに、
クリニックへ通っていたということになる。
私の視野が狭かったのだ。
ツバメの生態は何年何度も繰り返していたはずなのに、
たまたま今年はそれに気づいた。
それだけ気に留めるゆとりが欠けていたのかもしれない。
こうしてツバメが巣立った後の巣を眺めると、
今まで視野が狭いゆえに見過ごしてきたこと、
気づかなかったことがあっただろうと、私に諭しているようだ。