グループワークと演劇

 今日は一日引きこもりのオフでした。どうも昨日のグループワークでエネルギーを使い果たしたみたいです。
 グループワークの楽しさは格別なのですが、その難しさもまた痛感するこのごろです。メンバー同士の人間関係がグループの特徴や性質を左右するので、そのときどきの雰囲気やニーズを読み、素早くそれに応えていくには、かなりの集中力を必要とします。大体の筋書きは出来ているけどセリフが決まっていない即興劇のようなものです。それもファシリテーター一人ではなく、グループ全員で作っていくことが大事なので、そこにはいるけど参加しない、あるいはできないというメンバーにどうアプローチするのかも問われるところです。
 私は学生時代に演劇をやっていたので、「集団芸術」と言われる演劇とグループワークとの共通点を感じることがよくあります。ゲシュタルトのワークに「エンプティー・チェア」や「サイコドラマ」など、演劇の要素を取り入れたものが多いのも頷けます。そういったワークではファシリテーターはまさに演劇に於ける演出家のような役目を担っています。
 一方でベーシックと言われるエンカウンターグループでは筋書きさえもなく、全てがそこに参加したメンバーたちに任されます。ときに感動的な大ドラマが展開されるこうしたグループでは、ファシリテーターもまた登場人物の一端を担います。脚本はないので、この舞台では生の自分を晒して演じることが要求されます。「生の自分を晒す」ことと「演じる」ということのパラドックスを生きることが、こういうグループをファシリテートする難しさであり、また醍醐味でもあると私は思っています。
 というわけで、とても生半可なエネルギーではグループはできません。ですからアシストしてくれているNクンやA子さんが、それを承知で意欲を燃やしていることが本当に頼もしく感じられます。6月から実施予定の「キャリアサポーター養成講座・実習コース」では、「演劇」の要素を取り入れたカリキュラムを組んでファシリテーションスキルの更なる向上を図るつもりです。受講生の皆さんの健闘ぶりが今から楽しみです。

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