漱石の 爪の垢にも 及ばない

こんな夢を見た。
中学生時代。
教室で雑学クイズの授業が行われている。
男Nは雑学には自信がある。
だけれどもことごとく間違える。
間違えるたびに同級生のGが冷やかす。
好意以上の感情を抱いていたF先生が「どうしたの?」って感じで僕を見る。
クラス中もそんな雰囲気に包まれる。
僕はとてもいたたまれない気持ちになる。
特に、Gの冷やかしが我慢できない。
僕の心の一番触れて欲しくない部分を攻撃してくる。
執拗に。ネチネチと。
僕はGにいちいち反応し、Gを小突く。
攻撃をやめさせようと試みるが、それでもやまない。
僕の我慢は限界に達した。
僕の中でMAXになった攻撃性をGにぶつけようと試みる。
でもぶつけようとしても小突くという行動にしかならない。
Gを壊したい。メチャクチャに壊したい。でも出来ない。
それでも何らかの行動化をしなければ僕の怒りは収まらない。
教室の外に面した壁は窓ガラスがいっぱいに並んでいる。
僕は僕の机を持ち上げ、窓に向かって投げつけた。
けたたましい音。ガラスの破片。
青空がよく見えるようになった。
まだ収まらないので、誰のか知らない隣の机も投げつけた。
けたたましい音。ガラスの破片。
気持ちいいけれど、さっきより快感が少ない。
僕自身を投げつけてみたくなった。
僕は窓に向かって飛び込んだ。
けたたましい音。ガラスの破片。
血まみれらしい僕は地上に居た。
壁にそれなりの大きさの穴があいている二階を見上げた。
Gがおびえている。F先生もおびえている。
それでいい。注目されている。僕は満足だ。
騒ぎは当然収められる運命にある。
D先生やらU先生やらもう一人のF先生やらが僕の方にやってくる。
もはやここには居られないことは分かっている。
それでも僕は満足だ。
みんなの瞳に、僕を焼き付けてやったのだから。
「人を馬鹿にしやがって!!」
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